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前編
しおりを挟む「覚悟して! 素晴らしい彼をあんたみたいなくだらない女には渡さない! 絶対奪ってやるから!」
同じ年の青年リードと婚約して数日が経ったある日、彼の幼馴染みだと話す女性ミレーネからそんなことを言われてしまった。
何でも、ミレーネはリードのことを好きだったそう。
だからリードが私と婚約したのが許せないのだとか。
そんなことを言われても理不尽過ぎるのだが……。
だってそうだろう? 私はミレーネと交際していたリードを奪ったのではない。ミレーネがリードを想っているというのは、あくまで、彼女の中での感情だ。リードは私を選んだ、それが事実だ。なのに私が悪いの? 私に非があるというの? そんなはずないのに。
◆
それからというもの、ミレーネはリードへの超積極的なアプローチを開始したようだ。
しかし効果はなかった。
というのも、リードはミレーネのことをあまり良く思っていなかったのだ。
「ミレーネっていたじゃん? あいつ、ほんと、鬱陶しいんだ」
「彼女、私にも敵意を向けてきていたわよ」
リードはいつだって正直者だ、ミレーネとの間のことでも隠そうとはしない。
でも、だからこそ信頼できる。
彼と一緒にいるようになってから――起きたことを隠さないというのは信頼を高めるためには重要なことなのだと再確認した。
「ほんと最悪なやつだよな……君にまで手を出そうとするなんて……」
「リードは彼女のことどう思っているの?」
「嫌いだよ」
「そう……」
「そうだ、今度、一緒に来てくれないか?」
いきなりそんなことを言われて戸惑う。
「どういうこと?」
一応質問してみると。
「実はさ、ミレーネに呼ばれてるんだ。そこに君を連れていって、もうそろそろはっきり告げたいと思って」
「……迷惑じゃない?」
「巻き込んでごめん、とは思うけど」
「迷惑ではない?」
「もちろん! というか、むしろ、来てほしいんだ」
「そう、分かった。じゃあ一緒に行くわ」
そして、待ち合わせ場所へ二人で向かう。
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