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1話
しおりを挟む同性の幼馴染みエルフィアが婚約破棄された。
「そうなの……それでね、わたし、魅力ないんですって……」
「何それ! 言ってるだけよ、そんなの! あまりにも勝手だわ。放っておけばいいのよ! そんなやつ!」
私は実は昔から彼女のことが好きだった。
そう、恋愛的な意味で。
けれども同性だしそんな風に言われても困ってしまうだろうと考えて、ずっと黙ってきたのだ。
エルフィアには幸せになってほしかった。
だから、彼女の幸せのため、私はただの同性の幼馴染みのままでいたのだ。
なのにどうしてこんなことに。
優しくて可愛い彼女がどうしてこんな酷い目に遭わされなくてはならないのか。
この世とは、運命とは、あまりにも残酷。
善良なエルフィアが傷つかなくてはならないなんて納得がいかない。
「価値がないって……もっと素敵な女性はこの世に溢れているって……ペクチンはそう言うの……」
「ペクチン酷すぎね」
「ねえわたしって……そんなに駄目な女?」
こちらを見つめるエルフィアの瞳は涙で潤んでいた。
どうして?
どうしてこんな可愛らしい彼女に酷いことができるの?
ペクチンにそう問いたいくらいだ。
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