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2話
しおりを挟む「そんなことない!」
思わず出てしまった予想外に大きな声。
彼女は一瞬びくっと身を震わせた。
「あ、ご、ごめん。大声出して。ほんとごめん」
「ううん大丈夫……」
「でも本当にそんなことないよ。エルフィアはとっても可愛いし善良だもん、魅力じゃ誰にも負けないと思う」
「……ありがとう」
「絶対だから! だから、元気出して。大丈夫、エルフィアの魅力を分かってくれる人は絶対いるから! っていうか、その方が多いと思う!」
言えば、エルフィアは今にも泣き出しそうに笑って。
「ありがとう、本当に。わたし……貴女と幼馴染みで良かった」
感謝を述べてくれた。
泣いちゃうよ、ほんと! そんな真っ直ぐにお礼言われたら! しかも瞳潤んでて魅力的過ぎるし!
……でもそんな想いは秘密にしておこうかな。
だって、本当の気持ちを伝えたら、きっと迷惑だもん。
エルフィアは優しい。だからこそこの想いは伝えたくない。優しい彼女を、それでなくても不憫な彼女を、これ以上悩ませたくはないから。だから私はこの感情を彼女に伝えることはしない。それでいい、納得しているから。これからもこうやってたまに会って喋ったり一緒に過ごせたらそれだけで十分。
――なんて思っていたのだけれど。
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