魅力が足りないから婚約破棄!? 酷くないですか!? ~その後隣国の王子に愛されることとなったのです~

四季

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2話

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 ◆


 婚約破棄され城を出た翌日、実家の庭で寛いでいると。

「ローザネインさん、いきなりすみません」

 訪問者があった。

 しかしまったく知らない人で。
 そんなことは珍しいので驚いた。

「え……あの、貴方は……」
「僕はオーラスと申します」
「オーラスさん、ですか。それで、何かご用でしょうか?」
「実は、少し、お話してみたくて」

 オーラスと名乗る彼は漆黒の髪が美しい青年だ。

「えっ。私とですか」
「そうなのです。ええとですね、以前、国主催のお茶会にてお見かけしまして。一度話してみたいなと思っていたのです」
「ああ、そうだったのですね」
「いきなり押し掛けて申し訳ありません」
「いえ……」

 その日は少しだけ話をして別れた。

 何だったのだろう?
 何か調べていたのだろうか?

 謎ばかりだったのだけれど。

 ――しかし、次の日からもオーラスはやって来た。

「また来てしまいました」
「またですか!?」
「驚かせてしまったようですね……」
「あ、ああ、いえ、すみません。つい本心が」
「気になさらないでください。むしろ嬉しいですよ、本心を伝えていただけて」
「そうですか……」

 彼はあまり騒がしい感じの人ではない。
 けれどもここへ来ることには非常に熱心だ。

「こんにちは! 本日も会いにきました」
「オーラスさん、いつも来てくださっていますね」
「はい。お会いしたいので」
「あの……そういう言い方をされると少し恥ずかしいです」
「失礼しました」
「あ、いえ、嫌みではないですよ」
「お気遣いありがとうございます、やはりローザネインさんは優しい女性ですね」
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