一方的に理不尽に婚約破棄されまして。~それでもやはり好きなものは諦めたくないのです~

四季

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後編

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 私は最近は二人の家で編み物をしている。
 そしてたまに街で開催されるイベントに参加して少しだけ販売したりもする。

 あくまで趣味の範囲。

 でも、そういう日々の楽しみこそが、人生を豊かにしてくれるのだ。

「あ、美味しい!」
「気に入ってくれた?」
「ええ! 結構好きな味かも……思っていたより好きだわ。これは腐ってる感じじゃないわね」
「でしょ?」
「ええ! 気に入ったわ!」

 ちなみにオッズはというと、あの後花火大会にて爆発に巻き込まれて亡くなってしまったそうだ。

 災難……。

 しかし、まぁ、何とも思わない。

「そういえばさ、ローゼインマリー、今度出張があるからその時に毛糸買ってくるよ」
「本当!?」

 それよりも今は夫との時間や日々を大事にしたいのだ。

 これ以上、過去の闇に囚われてはいたくない。

「うん、前もそうしたでしょ」
「ありがとう! 嬉しい!」
「欲しい色とかある? あったらメモしておいてほしいな」
「そうね……今から考えてみるわ。ちょっと時間がかかってもいいかしら」
「それはもちろん! 今から出発ってわけじゃないし」

 時は流れてゆくもの。
 人は進み続けるもの。

 私たちは決して止まりはしない。

 だからこそ、愛おしい今を大切に思い楽しむ。

「じゃあその日までに渡すわね」
「よろしくー」


◆終わり◆
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