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3話
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ミーゼルの実家は資金援助が止まったために何もできない状態となってしまい、また、我が家への返済も求められたために何もかもが立ち行かなくなった。だが父は容赦などせず返済を求め続けて。それにより、ミーゼルの父親は借金して返済しなくてはならないこととなってしまったのであった。彼のもとには恐ろしいほど莫大な額の借金だけが残ることとなり――やがてそれを苦に自ら死を選んだ。
また、あの意地悪だったミーゼルの母親は、夫の死によって体調を崩したうえタイミング悪く顔面が異常に痛むようになる奇病にかかってしまい、貧しさと病の苦痛に数ヶ月にわたって苦しんだ果てに絶命した。
そしてミーゼル自身はというと、両親に莫大な借金を遺されながら貧しさの中で生きていかなくてはならないこととなり、結婚どころか普通の生活すらも絶望的に。それからの彼に人生は酷いもので。ブラック職場で労働力を散々搾取され、さらに、森で取った野生の虫をかじり泥水を啜って生きていくしかないような状況だったようだ。
何も私をちやほやせずとも、最低限の礼儀をもって迎えてくれればそれだけで良かったというのに。
そうすればそんな酷い目には遭わずに済んだだろうに。
……でも、まぁ、もう手遅れか。
どんな地獄へ堕ちようとも自業自得の一言である。
一方私はというと。
離婚後、以前より得意だったシフォンケーキ作りに打ち込むようになった。そして離婚から数年が経った頃に、ついに店をオープンする。もちろんシフォンケーキの店だ。国内初となるシフォンケーキ専門店、その良い評判は瞬く間に世に広まった。そしてその結果私の店は貴族や王族までもが愛する店にまで成長した。
今は毎日楽しく過ごしている。
仕事はかなり忙しいけれど、その大変さを遥かに凌ぐやりがいがあるので、とても幸せな日々だ。
◆終わり◆
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