2 / 2
後編
しおりを挟む
「許せない! 可愛い妹にそんなこと言われたら、あたし黙っていられないわ!」
姉は私を可愛がってくれる。
でき損ない、と馬鹿にされても良いような私にも、いつも温かい視線を向けてくれる。
それは非常にありがたいことなのだけれど。
ただ、愛ゆえに私を傷つける者を許せないようで、彼女は時折感情的になる。
「話してくる!」
「ま、ままま、待って姉さん……」
「何?」
「そんなの……もう、もういいから……」
これ以上ややこしいことになったらやっていけない。
「どうして? そんな風に言われたままで悔しくないの?」
「まぁ事実だし……」
「事実なわけない! あたしの妹は可愛いのよ!」
少し恥ずかしい、が、照れている場合ではない。
「とにかく、もう、何もしないで……嫌なの、厄介なことになりそうで……」
本心を打ち明けると。
「そう。分かった。じゃあ行かないわ」
姉はルトインのところへ行くのはやめてくれた。
「でもあたし彼のこと許さないわよ」
「それはいいけど……」
「ふふ、ありがと。……じゃあお茶でもしましょ」
こうして始まるティータイム。
私は何も知らなかった。
◆
二週間後、私は、ルトインが亡くなったことを知った。
急なことで驚いたのだけれど。
「どうして彼が亡くなったか知ってる?」
「え。姉さん、急ね」
「あたしの使い魔がしたのよ」
「え……」
姉が真実を教えてくれた。
彼は姉の使い魔の魔法によって刃で切り刻まれたとのことだ。
◆
その後私はしばらく実家にいたのだが、ある時親が紹介してくれた男性と結ばれることとなり、それからは夫と幸せに暮らした。
二人の子にも恵まれて。
日々忙しくも幸福の中。
ちなみに姉とは今も仲良くしている。
彼女は私の子のことも可愛がってくれるので嬉しい。
◆終わり◆
姉は私を可愛がってくれる。
でき損ない、と馬鹿にされても良いような私にも、いつも温かい視線を向けてくれる。
それは非常にありがたいことなのだけれど。
ただ、愛ゆえに私を傷つける者を許せないようで、彼女は時折感情的になる。
「話してくる!」
「ま、ままま、待って姉さん……」
「何?」
「そんなの……もう、もういいから……」
これ以上ややこしいことになったらやっていけない。
「どうして? そんな風に言われたままで悔しくないの?」
「まぁ事実だし……」
「事実なわけない! あたしの妹は可愛いのよ!」
少し恥ずかしい、が、照れている場合ではない。
「とにかく、もう、何もしないで……嫌なの、厄介なことになりそうで……」
本心を打ち明けると。
「そう。分かった。じゃあ行かないわ」
姉はルトインのところへ行くのはやめてくれた。
「でもあたし彼のこと許さないわよ」
「それはいいけど……」
「ふふ、ありがと。……じゃあお茶でもしましょ」
こうして始まるティータイム。
私は何も知らなかった。
◆
二週間後、私は、ルトインが亡くなったことを知った。
急なことで驚いたのだけれど。
「どうして彼が亡くなったか知ってる?」
「え。姉さん、急ね」
「あたしの使い魔がしたのよ」
「え……」
姉が真実を教えてくれた。
彼は姉の使い魔の魔法によって刃で切り刻まれたとのことだ。
◆
その後私はしばらく実家にいたのだが、ある時親が紹介してくれた男性と結ばれることとなり、それからは夫と幸せに暮らした。
二人の子にも恵まれて。
日々忙しくも幸福の中。
ちなみに姉とは今も仲良くしている。
彼女は私の子のことも可愛がってくれるので嬉しい。
◆終わり◆
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
彼には溺愛する幼馴染が居ますが…どうして彼女までこの家に住む事になっているのです?
coco
恋愛
彼には溺愛する美しい幼馴染が居る。
でもどうして、彼女までこの家に住む事になっているのです?
ここは本来、私たちが幸せに暮らすはずの家だったのに…。
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?
四季
恋愛
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
わざわざ証拠まで用意してくれたみたいなのですが、それ、私じゃないですよね?
ここあ
恋愛
「ヴァレリアン!この場をもって、宣言しようではないか!俺はお前と婚約破棄をさせていただく!」
ダンスパーティの途中、伯爵令嬢の私・ヴァレリアンは、侯爵家のオランジェレス様に婚約破棄を言い渡されてしまった。
一体どういう理由でなのかしらね?
あるいは、きちんと証拠もお揃いなのかしら。
そう思っていたヴァレリアンだが…。
※誤字脱字等あるかもしれません!
※設定はゆるふわです。
※題名やサブタイトルの言葉がそのまま出てくるとは限りません。
※現代の文明のようなものが混じっていますが、ファンタジーの物語なのでご了承ください。
妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです
藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる