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10話「親と彼が会う日に」
しおりを挟むその日のお出掛けは、まさかの大遅刻という絶望的な状況から始まったわりには希望のある結末へと至った。
そして次は私の自宅で会う。
そういうことになった。
そのことについて帰宅してから両親に話してみたが、意外と良い返事が来た。というのも、話が順調に進んでいることを二人はとても喜んでくれていたのだ。私が良い人と出会えること、良き人を見つけて共に歩めること、それを二人は望んでくれている。だからこそ、私がルクセーと上手くいっていてほっとしてくれいているのだと思う。
二人には早く楽になってほしい。
そのためにも私は頑張らなくてはならない。
できる限り努力して、両親を早く安心させてあげたいのだ。
とはいえ、私一人でできることなんて限られている。だからこそ、今のこの良い縁を大切にしなくてはならない。壊れてしまわないように、潰れてしまわないように、宝物を抱くように大事にしていかなくてはと思う。
◆
あれから一週間。
今日はついに約束の日だ。
ルクセーと私の両親が改めて出会う日。
この日は、きっと、皆にとって特別な日となるだろう。
「緊張するなぁ」
「大丈夫? 父さん。倒れないでよ」
「おう! だいじょぶだいじょぶんぶるぶん!」
「不安だわ……」
「がんばるがんばるばるんばるぶん!」
そして、約束の時間になると、ルクセーを乗せた馬車が家の前に停まった。
「アメイリアさん! こんにちは~」
「こんにちは! 来てくださりありがとうございます」
一週間ぶりだというのに、もうずっと会っていなかったような気がする――不思議なものだ、感覚とは。
「お久しぶりですな! ルクセー殿!」
「ああ、こんにちは。娘さんにはいつもお世話になっております」
「こちらこそぉっ。娘を可愛がってくださりありがとござます」
父は少々おかしなことを言ってしまっていた。
自覚はないようだ。
言葉を若干間違えているのは緊張のせいだろうか。
「アメイリアの母です」
「こんにちは、いつもお世話になっております」
「いえいえこちらこそ」
「お会いできて嬉しいです」
「うふふ、素敵な方で良かったわねぇアメイリア」
母は落ち着いていた。
緊張で脳を掻き乱されてはいなかった。
……さすがに度胸がある。
「ルクセー殿! どうぞ中へ!」
「はい、ありがとうございます」
こうして室内で四人で喋ることに。
それからは穏やかな時が流れた。
私は少々固くなってしまったし、父もかなりぎこちなくなっていたけれど、母とルクセーは日頃とあまり変わらない様子で言葉を発していた。
そのため意外にもにこやかな時間となったのだ。
こういう状況にあっても緊張してしまわない人がいて、その人たちが場を引っ張っていってくれたのは、私のような人間にとってはとてもありがたいことであった。
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