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12話「想像を越えた」
しおりを挟むあの後、ルクセーから正式に結婚の申し込みがあり、私はそれを了承した。
そして彼と共に生きることが決定したのだ。
思えば、初めて出会った日からずっと、彼と共に生きてゆくことを願っていたような気がする。でもそれはあくまで淡い夢みたいなもので。夢は所詮夢、叶うことなどないのだと、そう思っていた。彼との未来など現実になるものとは思っていなかったし、夢は所詮夢の域を越えないものと九割方諦めていた。
でも、未来は――現実は、想像を大幅に越えてきた。
結婚が決まってから、お互いの親のところへ挨拶に行った。
ルクセーの両親は嫌な感じの人ではなかった。
二人とも、思っていたよりかは人当たりの良い人だったのだ。
父親は不器用そうながらどこか可愛らしい感じの人で、母親は息子に相手ができたことを心から喜んでいるようであった。
「話がまとまって良かったですね~」
「そうですね」
私たちは共に歩んでゆく。
まだ見ぬ未来へと。
でも、その先に幸福があると、今は迷いなく信じている。
「ルクセーさん、私を選んでくださってありがとうございました」
「いえいえ! そんなの、こちらの言葉ですよ~」
だから不安は何もない。
「そうですか?」
「そうですよ~」
「でも、ルクセーさんはたくさんの女性に人気ですよね?」
「いやそれはないですね~」
「そうなんですか?」
あ、そうそう、そういえば。
ルリードはあれから結婚相手を探し回るもなかなか見つからず困り果ててしまっているそうだ。
「色々言われてきましたよ~? 静かすぎ、とか、ロマンチックさがなくて駄目駄目、とか」
「ええっ……」
「アメイリアさんはそうは思いませんか?」
「はい。だって、穏やかであれるところが良いところじゃないですか」
「ふふ、嬉しいです~」
「といいますか、女性たちのジャッジはかなり厳しいですね」
「あははそうなんですよね~、完璧が求められます」
今はルリード本人より父親の方が必死になっているようで。かなりの金を積んで結婚相手を探す会を開くなどして相手探しに奔走しているそうだが、それでもなかなか相手にしてもらえずだそうだ。
また、そのことで、ルリードと父親は定期的に大喧嘩になるらしい。
どうやら結婚の話によって父息子の関係は最悪なものとなってしまっているようだ。
「でも、アメイリアさんに巡り会えて良かったです~」
それにしても、ルクセーは本当にいつも穏やかな顔つきでいる。
眺めているだけでもほっこりできる。
「そう言っていただけると嬉しいです」
「ルリードさん、でしたっけ? あの方には感謝しなくてはなりませんね。だって、あの方と結婚まで進んでいたら、僕はアメイリアさんには出会えませんでしたから~」
「私も、結婚する相手がルクセーさんで良かったです」
◆終わり◆
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