最悪妹が婚約者候補として紹介してきた男性に惚れられました!? ~こうなったらもう突き進みます~

四季

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1話

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 二つ年下の妹ネーナ、彼女に関しては良い思い出がない。

「お姉様のお菓子、貰いますわね!」
「待って、勝手過ぎるわそんなの」
「はぁ~? お菓子だって、地味なお姉様よりあたくしみたいな可憐な乙女に食べてもらえる方が嬉しいでしょう?」

 彼女は欲しいものは絶対に手に入れる。
 どんな手を使ってでも。
 一度目をつけたら手に入れるまで意地でも諦めないのだ。

「ふええ! お姉様が殴ってきましたわぁ!」
「どうしたのネーナ!?」
「うっ、うっ、お姉様が……あたくしのお菓子を欲しいって無理を言って……それで……」

 しかもいつも器用に大人を味方につけるから厄介だった。

「ちょっとルリア! あなた、お姉さんでしょう! なんてこと!」
「何もしていないわお母様」

 ルリアのせいで私はいつだって悪役だった。

「ネーナが泣いているじゃない! 嘘をつかないの!」
「違う! 私、本当に、殴ったりしてない!」
「黙りなさいルリア! ったく、もう、次こういうことがあったら許さないからね……ほらネーナ、これ、お菓子よ。食べなさい。早く泣き止んで、ね?」
「う、ひぐ……お母様ぁ……ありが、とぉ……」
「ああネーナは可愛いわ」

 母親は私を嫌っていた。
 厄介な問題児と思い込んでいたのだ。

「妹はとっても素直で可愛いの。でもルリア、姉は、全然可愛くないのよね。しかも、妹をいっつもいっつも泣かせるのよ」

 だからよその人にもいつも私を悪口を言っていた。

 彼女は知らないと思っていたのかもしれない。
 でも私はある時聞いたから。
 それからはいつもそういうことを言いふらされていると知っていた。
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