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3話
しおりを挟む「ではこれで。失礼します」
「待ってください! オッドレスさん! あたくしは……」
「貴女は選びません」
「だ、騙されていますわ! お姉様に!」
「……呆れた、よくそんなことが言えますね」
ネーナを睨むオッドレス。
「ルリアさんは僕の妻となる人です、今後一切手を出さないでください」
こうして報告は終わった。
その後私は彼と婚約、そして、時を経て祝福されながら結婚した。
オッドレスは男性とは思えないくらい一途な人だった。
いつだって寄り添って。
どんな時でも共に歩んでくれる。
神か!? と思ったことも何度もあった。
「ルリアさん、これからは夫婦として、共に生きてゆきましょう」
「ええ」
「きっとお守りしますから」
「ありがとうございます、でも、私も貴方をお守りするつもりです」
「えっ」
「協力し合って生きてゆきましょう!」
「ルリアさん……ありがとうございます」
私は幸福を掴んだ。
思わぬ形からの始まりではあったけれど。
でもこれだって幸福とは呼べるだろう。
こうして私は幸せになれたのだが、妹ネーナはというと、それからもずっと婚約しては破棄されというようなことを繰り返していた。
彼女は今もまだ誰にも愛されていない。
愛されても束の間。
それも可愛らしい外見に騙された人が一瞬好きになるだけで。
彼女の本当の部分を愛する者などいない。
そして彼女は、徐々に壊れてきているらしい。
何度婚約しても絶対に破棄される。
それが怖くて仕方ないようで。
婚約破棄され続ける悪夢に襲われ夜は眠れず、くまが酷く、食事もまともに取れないような状態となってきているらしい。
◆終わり◆
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