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後編
しおりを挟むアルフグリットは本来してはならないことをしていた。そして、咎められてもなおろくに罪を罪と認めず、身勝手な主張を繰り返すばかりで。そんなだから天罰が下ったのだ、と、皆言っていた。アルフグリットの死を悲しむ者はほとんどいなかった。数少ない悲しんだ者の中にレイティアが含まれているのだから皮肉なものだ。
見えるものしか捉えられない目を持っていた愚かなアルフグリットは気づけなかったのだ――レイティアという人の心の美しさに。
それから数年が経ち、レイティアは大国である隣国の王子より求婚され彼と結ばれた。
現在は生まれ育った国から離れているレイティアだが、夫であり王子でもある彼に溺愛され大切に大切に扱ってもらっている。優れない時がある体調への配慮ももちろんある。
「うふふ、今日もお可愛らしいわねぇレイティア様」
「本当だわ」
「レイティア様がこの国に嫁いできてくださって……本当に良かったわ。お美しいし、それだけでもなくて、とても良い性格をなさっているもの。本当に、惚れてしまいそう」
「殿下は見る目があったようですわね」
「どこまでも素晴らしいお方だわ」
レイティアは侍女の間でも人気を博している。
今、彼女は、これまでにないくらい笑顔で生きている。
◆終わり◆
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