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1話「婚約は破棄」
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私の婚約者である彼ルーク・エバモは領地持ちの家の一人息子。
息子大好きな母親に大事に大事にされかっこいいと褒められて育ったために、女性というものに対して夢をみすぎている部分がある。
だからこれも定めのようなものだったのかもしれない。
「キミとの婚約は破棄することにしたよ」
ルークはある日急にそう告げてきた。
「婚約破棄? 本気なのですか」
「もちろん本気だよ」
嘘、ではないのだろう。
彼が本気で言っているということは分かる。彼はわざわざ複雑な罠を張り巡らせるような気質の人物ではないから。ある意味純粋過ぎるとも取れる彼のことだ、思ったことをそのまま口にしているのだろう。そこは私でも察することができる。
「何か理由が?」
「キミが外れ女性だったからだよ」
「外れ?」
「分からないなら言ってあげるよ。キミは優しくない、女性なのにちっとも優しくないし、言うことも聞いてくれない。だから外れなんだ」
正気か?
よくそこまで言えるな。
そう思ってしまう部分がある。
「女性というのは、やはり、もっと聖母のようでなければね」
彼の理想の女性像。
それは彼に言いなりの奴隷のような存在。
つまり、都合の良い女でなければならないということ。
私にそんな役が務まるはずもない。
息子大好きな母親に大事に大事にされかっこいいと褒められて育ったために、女性というものに対して夢をみすぎている部分がある。
だからこれも定めのようなものだったのかもしれない。
「キミとの婚約は破棄することにしたよ」
ルークはある日急にそう告げてきた。
「婚約破棄? 本気なのですか」
「もちろん本気だよ」
嘘、ではないのだろう。
彼が本気で言っているということは分かる。彼はわざわざ複雑な罠を張り巡らせるような気質の人物ではないから。ある意味純粋過ぎるとも取れる彼のことだ、思ったことをそのまま口にしているのだろう。そこは私でも察することができる。
「何か理由が?」
「キミが外れ女性だったからだよ」
「外れ?」
「分からないなら言ってあげるよ。キミは優しくない、女性なのにちっとも優しくないし、言うことも聞いてくれない。だから外れなんだ」
正気か?
よくそこまで言えるな。
そう思ってしまう部分がある。
「女性というのは、やはり、もっと聖母のようでなければね」
彼の理想の女性像。
それは彼に言いなりの奴隷のような存在。
つまり、都合の良い女でなければならないということ。
私にそんな役が務まるはずもない。
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