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3話
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「結婚してください」
あれから一年半が経った、今日。
家の前で告げられた。
そんな言葉を。
「え……」
目の前にいるのは――王子ルテフィン。
彼は美しい容姿の持ち主だ。
国民からの人気も高い。
「これから、共に歩んでいきたいのです」
「そ、そんな!?」
「はは、凄く驚きますね」
「すみません……」
「いえ、そういうところも含めて好きなんですよ」
彼と出会わせてくれたのは父だ。
でもずっと選ばれるなんて思っていなかった。
だから今はとても驚いている。
「共に生きてくれませんか?」
けれど、彼のことは嫌いではない。
「……はい!」
◆
二十五歳の春、私は、ルテフィン王子と結婚した。
式典には多くの人が参加してくれて。
おかげで大盛り上がり。
数えきれないほどの祝福の中で生涯の相棒となることを誓い合うことができた。
そうそう、ちなみに、フォルケスとフォレミナは幸せにはなれなかった。
二人は私が王子と結ばれそうになっていることを知るや否や嫌がらせをしてきたのだ。
小さなことから大きなことまで。
かなり色々な嫌がらせをしてきた。
だが、その話がルテフィンの耳に入ったために、二人は拘束されることとなってしまって。
――その後、フォルケスは処刑された。
一方フォレミナはというと、処刑は何とか免れたものの、一生男たちに尽くし続けなくてはならないという運命を与えられることとなってしまったそうだ。
ま、その立ち位置は、ほぼ奴隷のようなものだろう。
余計なことをしなければ二人で幸せに生きていく道もあったかもしれないのに――私への嫉妬心が結果的に彼らを破滅へ向かわせたのだ。
◆終わり◆
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