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前編
しおりを挟む「フィリーナ! 貴様、我が妹を虐めていたそうじゃないか!」
婚約者でこの国の王子でもある彼ダアムに突然そんなことを言われたのは、ある夏の日だった。
「え……?」
心当たりがなさすぎて戸惑っていると。
「貴様、知らぬふりを貫くつもりか? だとしたらどこまでも悪女だな! 悪女の中の悪女め、絶対に……絶対に許さんぞ!」
さらに責めるようなことを言われてしまって。
「よって! 貴様との婚約、破棄とする!」
最終的にはそこまで言われてしまった。
知らぬふりではない。実際知らないのだ。そもそも私は彼の妹とは一瞬顔を合わせたことがある程度の関係でしかなく接触したこともほとんどない。それゆえ虐めたとか何とか言われても心当たりは一切ないし困ってしまうだけ。ありもしないことを事実のように言われても、こちらとしてはただ困るだけだ。
「そして、貴様は明日処刑する!!」
ダアムは人がいる前でそんなことを宣言した。
処刑って……それはさすがにまずい、冤罪で死にたくはない。
「ど、どうして! 処刑!? なぜですか!」
「我が妹を、王女を、虐めた罪は重いのだ。その命をもって償え。それ以外に方法はない」
「虐めていません……!」
「今さら焦って嘘をついてももう手遅れだ」
どうしてこうも話が通じないの……。
「貴様に未来はない!」
こうして私はまさかの――処刑されることとなってしまった。
最期の瞬間は悲しくて悔しくて涙がこぼれた。
だって何もしていないのに……。
どうして? どうして私がこんな目に遭わなければならないの? 彼の妹が嘘をついているだけじゃない、私は本当に何もしていないじゃないの。なのにどうしてすべて私のせいにされなくてはならないの? 罪なき者が悪女に仕立て上げられて処刑されなくてはならないなんてどう考えてもおかしい話ではないか。
――そして、首に刃が下りた。
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