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後編
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私が処刑された後、ダアムを含む王家とその国にはやたらと災難が降りかかるようになったようだ。
天災がこれまでよりも頻繁に発生。食糧難まで起こって。それにより多くの民が飢え、餓死者が続出したり民同士での殺し合い事件が多発したりといった状況に陥って。もちろん衛生状態も著しく悪化。流行り病が民を襲い、さらに死亡者がかさむといったようなことになっていって。最終的には一年ほどで国民の半分以上が何らかの原因で死亡するというような異常事態が発生してしまったそうだ。
また、王家の者たちも、幸せにはなれなかった。
国王夫妻は暴徒化した民に襲われて殺害され、王族は次々に何らかの不幸によって落命。後継ぎでもある王子ダアムはある時不満を言いに城へやって来ていた民らに引きずり出されて散々暴行を加えられた果てに死亡し、その妹である王女は不審なおじさん三人組に誘拐され監禁され、その身を好き放題弄ばれた果てに死亡したのだそうだ。
結局誰も幸せにはなれなかった……。
ただ、ダアムとその妹に関しては、同情の余地はない。
嘘をついて、嘘を信じて、罪なき者を処刑するような輩だ。そんな人たちに救いなんて絶対に必要ない。痛い目に遭うべき、私はそう思っていた。だから彼らの結末にはざまぁみろとしか思わなかった。傷つけばいい、苦しめば、そして理不尽に命を奪われればいいのだ。
――地獄へ堕ちろ。
◆
生まれ変わった私は、豊かな国に良家の娘として誕生。
両親や親戚など多くの人から祝福を受けて新たなる人生を始める。
「ああ、可愛いリーゼ」
皆、私にそんな風に声をかけてくれる。
ダアムもすべての元凶であるダアムの妹もいない世界。
何もかもが綺麗になった世界。
そこで私は新たな一生を始めるのだ。
――そして。
「リーゼ、貴女を愛しています」
私は男性からの愛すらも手に入れた。
「結婚してください」
「……はい、お願いします」
優しく愛してくれる人と巡り会え、大事にされ、幸せを掴む。
私にはそんな未来が待っていた。
過ぎ去ったあの日々は暗かった。
けれども私にはこんなにも愛おしい現在がある。
だから大丈夫、光を信じて歩んでゆける。
◆終わり◆
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