4 / 17
4話
しおりを挟む
基地はあれから不穏な空気のまま。
ナスカらを救助したいと希望したものの上に「すぐには対応できない」と言われたためにリリーが不満を爆発させ、騒ぎが起こって。
それももう数日前のこと。
けれども、ほんの少し時間が経過したくらいで解決する問題でもなく、基地内に流れている空気は今もじっとりとした重苦しいもののままである。
「リリーちゃん、落ち着いた?」
「……うん」
そんな日々の中、周りから頼まれて、トーレはリリーの面倒をみなくてはならないことになってしまった。
そういった事情もありトーレは今リリーと共に食堂にいる。
「美味しいねアイスティー」
「うん」
リリーは今日も先ほどまで怒っていた。
しかし現在は一旦落ち着いている。
「ナスカのことを心配する気持ちは皆持ってるよ」
「嘘つき」
「ええーっ……」
「心配してないよ! だからこんなこと平気でするの! すぐには動けない、とか!」
そういえばナスカは許可を取ることもせず自力で助けに行ったんだったなぁ、なんて、密かに過去を懐かしむトーレ。
かつてエアハルトが捕らえられた時、誰もが諦めの気持ちになっていたにもかかわらずナスカは立ち上がった。大切な人を救うために、大切な人を失わないために、ナスカは危険があると知っていてもなおエアハルト救出へと突き進んだのだ。
「……ナスカ、元気かなぁ」
紙製カップに注がれたアイスティーを飲み干して、リリーは呟く。
「こんなことになっちゃうなんて思わなかった……」
その瞳は潤んでいた。
「だ、大丈夫! 大丈夫だよ! あの二人ならきっと、上手くやってるって!」
泣かれたら大変だ、と焦ったトーレは、両手をぱたぱたさせながら「ナスカは強いし! アードラーさんも強いし!」とそこまで言って、数秒の間の後に「……心は」と小声で付け加える。
するとリリーは急にぶはっと息を吐き出した。
それから腹を抱えて大笑いし始める。
「あはははは!! 確かに!! 不謹慎かもだけど、確かに!!」
「え? ちょ、え? リリーちゃん?」
よく分からないけど、楽しそうだし元気そうになったから、まぁいいか――そんな風に思うトーレだった。
◆
朝は必ずやって来る。
どんなに辛い日でも。
「おはようナスカ」
「エアハルト……おはよう、でもまだ、眠いわ……」
冷たい床の上で目を覚ませば、既に起床していたエアハルトが声をかけてくれる。
「相変わらずだね」
「ううん……眠いの、まだ……」
「ナスカらしくてほっこりする」
「またそんな冗談」
「悪口じゃないよ? 褒めてるんだ。そういうところもナスカの可愛いところだからね」
呆れて、もう……、なんて返すけれど。
でも本当は嬉しくもある。
彼が傍にいてくれるだけで柔らかな気持ちになれるから。
ただ、彼は毎日のように敵に別室へ連れていかれているので、心身に問題が発生していないか心配になるところではある。
そこで何をされているのか、エアハルトは少しも話してくれない。
「そろそろ出るね」
「えっ……もう?」
「うん。早めに迎えが来ててさ。あまり話し相手になれなくてごめん」
「そんなことを言うつもりはないわ。ただ……どうか、気をつけて。必ず生きて帰ってきてちょうだいね」
言えば、エアハルトは「もちろん。必ず帰るよ」と軽く返してきた。
そうしてまた退屈な時間がやって来る。
エアハルトが別室に連れていかれている間、私は大抵この冷えた部屋の中で過ごす。埃臭さには慣れて、今ではもうそこまで不快な環境だとは感じない。
ただ一つ困ったところがあるとすれば、それは、何もすることがないというところ。
エアハルトが前に出て護ってくれているからこそ何もされずに済んでいることも事実。そういう意味では退屈と思ってしまうような時間を過ごせていることに感謝しなくてはならないのだ。
だが、一人部屋の中でじっとしているというのは、どうにもしっくりこない。
とはいえさすがにいきなり掃除なんかを始めるわけにもいかないし……。
一人で過ごす時間は長い。
クロレアの皆がどうしているかを想像するくらいしかすることがない。
そんな中でも、時折不安になることはある。
もし今夜エアハルトが帰ってこなかったら、と。
もしもその身に何かが起きて、万が一彼が倒れるようなことがあったら、私はどうなってしまうのだろう――そんなことを考える時、己の無力さを強く感じる。
……そうしてまた、夜が来る。
「おかえりなさい、エアハルト」
「ただいま」
部屋へ帰ってきた彼の口角には傷ができていて。
「唇の横、怪我したの?」
そう問ってみるけれど。
「ちょっとね」
彼は短くそう答えるだけで詳しいことなんて欠片ほども教えてはくれない。
どうして隠すの?
なぜすべてを一人で背負おうとするの?
言いたくても言えなくて、複雑な想いが降り積もってゆく。
「相変わらず何も話してくれないのね!」
本当ならそんなことを言うべきではないと分かっていた。
でもこの時は胸の内から湧き上がるものをどうしても抑えきれなくて。
「私、信頼されてないのかしら」
「そんなことないよ」
「ならどうして何も話してくれないの?」
「それは……君に話すようなことじゃないからだよ」
エアハルトは口角の赤いものを手の甲で拭うと息を吐き出す勢いに添うように地面に腰を下ろした。
「秘密にされてばかりだと不信感が募るわ」
「なら話すよ。取り調べ? みたいなのを受けてるんだ。話をしたり。ただそれだけ」
「取り調べを受けたり話をするだけでそんな風に口角を切ったりするものかしら」
するとエアハルトは、はは、と乾いた笑い声をこぼす。
「帰ってきたらまた取り調べ受けてるみたいで面白いな、この状況」
嫌みではないようだった。
声の色と表情がそれを表している。
「それより、ナスカは? 今日も暴力に晒されたりはしなかった?」
「ずっとここでぼんやりしていたわ」
「そっか。退屈させて悪いね。本当はもっと一緒にいられればいいんだけど」
本当に、それだけ?
そんな問いはさすがに放てなかった。
「それは……気にしないで、エアハルトは何も悪くないから」
取り敢えず今は彼が生きていてくれればそれだけでいい。
ナスカらを救助したいと希望したものの上に「すぐには対応できない」と言われたためにリリーが不満を爆発させ、騒ぎが起こって。
それももう数日前のこと。
けれども、ほんの少し時間が経過したくらいで解決する問題でもなく、基地内に流れている空気は今もじっとりとした重苦しいもののままである。
「リリーちゃん、落ち着いた?」
「……うん」
そんな日々の中、周りから頼まれて、トーレはリリーの面倒をみなくてはならないことになってしまった。
そういった事情もありトーレは今リリーと共に食堂にいる。
「美味しいねアイスティー」
「うん」
リリーは今日も先ほどまで怒っていた。
しかし現在は一旦落ち着いている。
「ナスカのことを心配する気持ちは皆持ってるよ」
「嘘つき」
「ええーっ……」
「心配してないよ! だからこんなこと平気でするの! すぐには動けない、とか!」
そういえばナスカは許可を取ることもせず自力で助けに行ったんだったなぁ、なんて、密かに過去を懐かしむトーレ。
かつてエアハルトが捕らえられた時、誰もが諦めの気持ちになっていたにもかかわらずナスカは立ち上がった。大切な人を救うために、大切な人を失わないために、ナスカは危険があると知っていてもなおエアハルト救出へと突き進んだのだ。
「……ナスカ、元気かなぁ」
紙製カップに注がれたアイスティーを飲み干して、リリーは呟く。
「こんなことになっちゃうなんて思わなかった……」
その瞳は潤んでいた。
「だ、大丈夫! 大丈夫だよ! あの二人ならきっと、上手くやってるって!」
泣かれたら大変だ、と焦ったトーレは、両手をぱたぱたさせながら「ナスカは強いし! アードラーさんも強いし!」とそこまで言って、数秒の間の後に「……心は」と小声で付け加える。
するとリリーは急にぶはっと息を吐き出した。
それから腹を抱えて大笑いし始める。
「あはははは!! 確かに!! 不謹慎かもだけど、確かに!!」
「え? ちょ、え? リリーちゃん?」
よく分からないけど、楽しそうだし元気そうになったから、まぁいいか――そんな風に思うトーレだった。
◆
朝は必ずやって来る。
どんなに辛い日でも。
「おはようナスカ」
「エアハルト……おはよう、でもまだ、眠いわ……」
冷たい床の上で目を覚ませば、既に起床していたエアハルトが声をかけてくれる。
「相変わらずだね」
「ううん……眠いの、まだ……」
「ナスカらしくてほっこりする」
「またそんな冗談」
「悪口じゃないよ? 褒めてるんだ。そういうところもナスカの可愛いところだからね」
呆れて、もう……、なんて返すけれど。
でも本当は嬉しくもある。
彼が傍にいてくれるだけで柔らかな気持ちになれるから。
ただ、彼は毎日のように敵に別室へ連れていかれているので、心身に問題が発生していないか心配になるところではある。
そこで何をされているのか、エアハルトは少しも話してくれない。
「そろそろ出るね」
「えっ……もう?」
「うん。早めに迎えが来ててさ。あまり話し相手になれなくてごめん」
「そんなことを言うつもりはないわ。ただ……どうか、気をつけて。必ず生きて帰ってきてちょうだいね」
言えば、エアハルトは「もちろん。必ず帰るよ」と軽く返してきた。
そうしてまた退屈な時間がやって来る。
エアハルトが別室に連れていかれている間、私は大抵この冷えた部屋の中で過ごす。埃臭さには慣れて、今ではもうそこまで不快な環境だとは感じない。
ただ一つ困ったところがあるとすれば、それは、何もすることがないというところ。
エアハルトが前に出て護ってくれているからこそ何もされずに済んでいることも事実。そういう意味では退屈と思ってしまうような時間を過ごせていることに感謝しなくてはならないのだ。
だが、一人部屋の中でじっとしているというのは、どうにもしっくりこない。
とはいえさすがにいきなり掃除なんかを始めるわけにもいかないし……。
一人で過ごす時間は長い。
クロレアの皆がどうしているかを想像するくらいしかすることがない。
そんな中でも、時折不安になることはある。
もし今夜エアハルトが帰ってこなかったら、と。
もしもその身に何かが起きて、万が一彼が倒れるようなことがあったら、私はどうなってしまうのだろう――そんなことを考える時、己の無力さを強く感じる。
……そうしてまた、夜が来る。
「おかえりなさい、エアハルト」
「ただいま」
部屋へ帰ってきた彼の口角には傷ができていて。
「唇の横、怪我したの?」
そう問ってみるけれど。
「ちょっとね」
彼は短くそう答えるだけで詳しいことなんて欠片ほども教えてはくれない。
どうして隠すの?
なぜすべてを一人で背負おうとするの?
言いたくても言えなくて、複雑な想いが降り積もってゆく。
「相変わらず何も話してくれないのね!」
本当ならそんなことを言うべきではないと分かっていた。
でもこの時は胸の内から湧き上がるものをどうしても抑えきれなくて。
「私、信頼されてないのかしら」
「そんなことないよ」
「ならどうして何も話してくれないの?」
「それは……君に話すようなことじゃないからだよ」
エアハルトは口角の赤いものを手の甲で拭うと息を吐き出す勢いに添うように地面に腰を下ろした。
「秘密にされてばかりだと不信感が募るわ」
「なら話すよ。取り調べ? みたいなのを受けてるんだ。話をしたり。ただそれだけ」
「取り調べを受けたり話をするだけでそんな風に口角を切ったりするものかしら」
するとエアハルトは、はは、と乾いた笑い声をこぼす。
「帰ってきたらまた取り調べ受けてるみたいで面白いな、この状況」
嫌みではないようだった。
声の色と表情がそれを表している。
「それより、ナスカは? 今日も暴力に晒されたりはしなかった?」
「ずっとここでぼんやりしていたわ」
「そっか。退屈させて悪いね。本当はもっと一緒にいられればいいんだけど」
本当に、それだけ?
そんな問いはさすがに放てなかった。
「それは……気にしないで、エアハルトは何も悪くないから」
取り敢えず今は彼が生きていてくれればそれだけでいい。
0
あなたにおすすめの小説
殿下に寵愛されてませんが別にかまいません!!!!!
さら
恋愛
王太子アルベルト殿下の婚約者であった令嬢リリアナ。けれど、ある日突然「裏切り者」の汚名を着せられ、殿下の寵愛を失い、婚約を破棄されてしまう。
――でも、リリアナは泣き崩れなかった。
「殿下に愛されなくても、私には花と薬草がある。健気? 別に演じてないですけど?」
庶民の村で暮らし始めた彼女は、花畑を育て、子どもたちに薬草茶を振る舞い、村人から慕われていく。だが、そんな彼女を放っておけないのが、執着心に囚われた殿下。噂を流し、畑を焼き払い、ついには刺客を放ち……。
「どこまで私を追い詰めたいのですか、殿下」
絶望の淵に立たされたリリアナを守ろうとするのは、騎士団長セドリック。冷徹で寡黙な男は、彼女の誠実さに心を動かされ、やがて命を懸けて庇う。
「俺は、君を守るために剣を振るう」
寵愛などなくても構わない。けれど、守ってくれる人がいる――。
灰の大地に芽吹く新しい絆が、彼女を強く、美しく咲かせていく。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』
鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。
だからこそ転生後に誓った――
「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。
気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。
「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」
――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。
なぜか気づけば、
・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変
・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功
・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす
・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末
「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」
自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、
“やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。
一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、
実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。
「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」
働かないつもりだった貴族夫人が、
自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。
これは、
何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
愛があれば、何をしてもいいとでも?
篠月珪霞
恋愛
「おいで」と優しく差し伸べられた手をとってしまったのが、そもそもの間違いだった。
何故、あのときの私は、それに縋ってしまったのか。
生まれ変わった今、再びあの男と対峙し、後悔と共に苦い思い出が蘇った。
「我が番よ、どうかこの手を取ってほしい」
過去とまったく同じ台詞、まったく同じ、焦がれるような表情。
まるであのときまで遡ったようだと錯覚させられるほどに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる