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前編
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ラベンダーカラーの美しい髪を持つ妹フェリカは強大な力を持つ大魔法使い、そしてその姉である私エリカは妹とは対照的に地味な彼女の従者。
表向きはこうなっている、一応。
しかしこれは我が家の親が勝手に作った話でしかなく。実際に強大な魔力と魔法の才能を持っているのは私で、妹が使っているとされる魔法を発動しているのはすべて私だ。
これは、フェリカを凄い力のある美少女という存在にしたかった親が考えたことで、両親はフェリカの価値を上げるためなら何でもした……そう、私の力さえも偽りの形で利用した。
その大いなる力をもって、フェリカはこの国の王子と婚約する。
「フェリカさん、このたびは婚約ありがとう」
「いえ! 光栄ですわ」
この日はフェリカと王子が対面することとなった。
「どうか、よろしくお願いいたします」
「はい!」
フェリカはご機嫌だ。
表情が明るい。
「ところで、フェリカさん、そちらの女性は?」
「従者ですわ」
「あの、よければ……一度二人になってお話ししたいのですが」
「それは、申し訳ありませんけれど。できませんわ。すみません」
返答を聞いた王子は一旦黙る。
何か考え込んでいるような面持ちになっている。
「では、フェリカさんのご両親も一緒で構いませんよ。それなら安心ですよね? その形で良いでしょうか」
「え……」
「なぜ青い顔をなさるのです? 体調が優れませんか」
「い、いえ! ……そんなことは。そんなことは、ありません」
その後私はフェリカと一旦別れることとなった。
フェリカは両親と王子と共に部屋へ入ってゆく。
表向きはこうなっている、一応。
しかしこれは我が家の親が勝手に作った話でしかなく。実際に強大な魔力と魔法の才能を持っているのは私で、妹が使っているとされる魔法を発動しているのはすべて私だ。
これは、フェリカを凄い力のある美少女という存在にしたかった親が考えたことで、両親はフェリカの価値を上げるためなら何でもした……そう、私の力さえも偽りの形で利用した。
その大いなる力をもって、フェリカはこの国の王子と婚約する。
「フェリカさん、このたびは婚約ありがとう」
「いえ! 光栄ですわ」
この日はフェリカと王子が対面することとなった。
「どうか、よろしくお願いいたします」
「はい!」
フェリカはご機嫌だ。
表情が明るい。
「ところで、フェリカさん、そちらの女性は?」
「従者ですわ」
「あの、よければ……一度二人になってお話ししたいのですが」
「それは、申し訳ありませんけれど。できませんわ。すみません」
返答を聞いた王子は一旦黙る。
何か考え込んでいるような面持ちになっている。
「では、フェリカさんのご両親も一緒で構いませんよ。それなら安心ですよね? その形で良いでしょうか」
「え……」
「なぜ青い顔をなさるのです? 体調が優れませんか」
「い、いえ! ……そんなことは。そんなことは、ありません」
その後私はフェリカと一旦別れることとなった。
フェリカは両親と王子と共に部屋へ入ってゆく。
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