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後編
しおりを挟む「婚約破棄ぃ!? どうしてですかぁ!? イミフですぅ!!」
おろおろし始めるシイタマ。
婚約破棄は嫌なようだ。
別れたくて色々やっている、というわけではなかったみたいだ。
「シイタマくんとはもう終わりだ」
だがもはや手遅れ。
私はいつまでも彼のもとにはいない。
彼が大事にしないのなら、私は彼の前から消えてやる。
「ええぇっ!? 誰よりも愛してますよぉ!?」
「浮気のような行為に至っておいて良くそのようなことが言えるな」
「それは誤解なんですよぉ!?」
「馬鹿なことを言うな、証拠物もあるんだ。言い逃れなどできやしない。ではな。さようなら、シイタマくん」
こうして、私とシイタマの婚約は破棄となった。
帰り道、青く澄んだ空には虹がかかっていた。
光ゆえに生まれる奇跡。
それはまるで苦痛や不幸な婚約から解放された私を祝福してくれているかのようであった。
◆
後日、シイタマが亡くなったことを知った。
そんなことは想像していなかった。
でもそんなことになってしまった。
ちなみに、死因は不明らしい。親のかかりつけ医に診てもらっても、死因は不明のままだったよう。ただ、目撃情報によれば、部屋にあった飲み物を飲んだ直後に倒れたそうである。
毒でも盛られたのだろうか?
謎は謎のまま。
時は過ぎて。
次第に忘れられていって――いつしかその話題は消えていった。
◆
「君と巡り会えて良かったよ」
「私もそう思います」
今日、結婚する。
夫となる彼との出会いは、伯父の紹介で顔を合わせてみることとなったことであった。
はじめは乗り気でなかった。
そして一度会った後も「断ろう」と思っていた。
けれども彼はとても気に入ってくれていて。
彼は以降も定期的に私のところへやって来て、熱心に尽くしてくれて――そんな風にしてもらっているうちに、私も彼に惹かれるようになっていっていた。
初めての贈り物がウナギだったのにはかなり驚いたが……。
でも、彼なりの気遣いは感じられたので、それはそれで嬉しかった。
「ずっと無理についてまわってごめんね」
「いいえ」
「でも、今は、少しは好きになってくれてる?」
「もちろんです」
「共に歩もうと思ってくれている?」
「ええ、もちろん」
空に虹がかかる。
未来へと歩み出す私を祝福するかのように。
◆終わり◆
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