私たち二人は仲良しだからこんな日々がずっと続いていくだろう、そう思っていた頃もありました。

四季

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前編

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「おはようエーシア」
「ええ、おはようリック」

 私エーシアと婚約者の彼リックは学生時代に出会ってそれからずっと仲良しで今に至っている。

 もう何度も隣り合って夜を越した。
 それでも男女の関係にはなっていないけれど、でも、それはお互いを嫌い合っているからではなくて。

 私たちは婚約しているけれどそれ以上に友なのである。

「リック、今日何飲む?」
「お茶?」
「ええ。ハーブティー系か、紅茶系か、あるいは――」
「カモミールとかでもいいか?」
「ああいいわよ、オッケー」

 この関係は誰にも壊せないもの、そう思っているからこそ私は彼を真っ直ぐに信じていた。

 ――けれど。

「あのさ、話があるんだけど」

 その日は突然やって来る。

「話?」
「ああ」
「何よ改まって。珍しくない? そんな風に真面目な顔なの」
「そうなんだ……実は、ちょっと、真剣な内容で」
「真剣な? 重要な話ってこと? でもいいわよ、どうぞ」
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