婚約者を奪えて良かったですね! 今どんなお気持ちですか?

四季

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婚約者を奪えて良かったですね! 今どんなお気持ちですか?

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「お姉様、申し訳ありませんけれど、ダルビン様はいただきますわ」

 ある日突然腹違いの妹からそんなことを告げられた。

 ダルビンは私の婚約者だった。しかし、妹から告げられた時、私とダルビンの婚約は既に破棄されていた。私はそのことをその時まで知らなかった。

 だからこそ悲しくて悔しかった。

 知らない間に婚約者を奪われているなんて、と。

 だが、今さら何を言ったところで、時既に遅しというもの。ダルビンとやり直すことはできないし、彼と妹を引き離すこともできない。だから私は諦めた。ダルビンとの関係は諦め、別の道へ進むことに決めた。

 新たな道を行くと決意した翌日、私は、困っていた青年を街で助けた。知らない人だったけれど。でも困っていたから。
 その青年が実は王子で。
 後日私は彼からプロポーズされ、後に結ばれた。

 私が王子と結ばれることを知った時、妹は怒っていた。

「お姉様ったら! その容姿で王子様に手を出すなんて、あさましすぎますわ!」

 そんなことも言われたが、無視した。

 ちなみに、ダルビンと妹はあのまま婚約し結婚に至ったそうだ。
 子もでき、幸せが訪れるかと思われたそんな時ハプニングが発生する——ダルビンの父親が事業で大失敗したのだ。

 その後は悲惨だったという。

 ダルビンは失敗した者の息子として社会から批判されることになり、それに耐えきれず、ある夜自室にて自ら命を絶った。まもなく妹は娘を出産、しかし、娘は取り上げられて売られてしまう。そのショックで妹は発狂し、夜な夜な叫びながら街を歩き回ることしかできなくなったそうだ。

 悲しいことだが、正直、今の私にはあまり関係がない。


◆終わり◆
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