1 / 2
前編
しおりを挟む「お前とはもうやっていけん! 婚約は破棄とする!」
まったり系令嬢フィーネリアは婚約者オドルよりある日突然そんなことを告げられてしまった。
フィーネリアは誰もが認める絶世の美女だ。華やかであり、しかし派手過ぎす品性もあり、と、まさに理想的な顔立ちをしている。美を絵に描いたような女性、と言って過言ではないだろう。
それほどに美しい彼女だが――少々まったりしているところがあって、オドルはその点が気に食わないと常々言っていた。
「お前みたいな顔だけ女を相手にしているほど暇じゃねぇんだよ」
「顔だけ女……とは~……?」
「とろいんだよ! いちいちおっせぇし! 反応も、喋りも、とろとろ。お前と一緒にいたら一瞬で寿命尽きるわ!」
オドルは攻撃的に言葉を並べる。
「それに、女なら奉仕の心を持ってて当然だろ。男に、それも結婚する男に、ご奉仕させてくださいとも言わねぇなんて論外だ。あ? 分かってんのか?」
「ご奉仕、とは……それは一体?」
「うぜぇ!!」
「何でしょうか~」
「だ! か! ら! 女の存在価値なんぞ、男をどこまで愉しませられるかだろ? けどお前はそれに関して一切何もしねぇ。ってことはだな、女としてのお前の価値はゼロなんだよ!」
オドルはそれからも数時間にわたってフィーネリアのことをボロクソに言い続けた。
そうして二人の関係は終わりを迎えることとなる。
「嫌われてしまったみたい……」
フィーネリアはそう呟いていた。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢はおせっかい「その婚約破棄、ちょっとお待ちなさい」
みねバイヤーン
恋愛
「その婚約破棄、ちょっとお待ちなさい」まーたオリガ公爵令嬢のおせっかいが始まったぞ。学園内での婚約破棄に、オリガ公爵令嬢が待ったをかけた。オリガの趣味は人助け、好きな言葉はノブレス・オブリージュ。無自覚な悪役令嬢オリガは、ヒロインの攻略イベントをことごとくつぶしていく。哀れなヒロインはオリガのおせっかいから逃げられない。
転生したら既にやらかして断罪された悪役令嬢で未亡人になっていました
山田ジギタリス
恋愛
私が悪役令嬢に転生したと気がついたのは夫の葬儀ででした。
既にやらかしてザマアされた悪役令嬢で罰として好色な老男爵の後妻におさまりすぐに未亡人になってました。
そんな私を好色な目で見る義息子二人。敵意丸出しなその嫁達。祖父そして父親にそっくりな男孫たち。
男も女も酷い婚家で孤立無援なダイアナを助けてくれたのは意外な人物で……。
ふわっとした世界観でのお話です。気軽にお読みください。
ノーア帝国物語 愚か者の王太子が娼婦に夢中で王家断絶してしまいました
有栖多于佳
恋愛
古代ローマ時代に酷似したノーアの国では長く三英雄の一族による寡頭政治が行われていたが、王太子が戦勝パーティーで婚約者のユリアに婚約破棄を告げたことにより、その治世が崩れていく。その訳は王太子だけが知らなかったのだが。古代を舞台にしたざまあです。
「お前を愛することはない」と言った夫がざまぁされて、イケメンの弟君に変わっていました!?
kieiku
恋愛
「お前を愛することはない。私が愛するのはただひとり、あの女神のようなルシャータだけだ。たとえお前がどんな汚らわしい手段を取ろうと、この私の心も体も、」
「そこまでです、兄上」
「なっ!?」
初夜の場だったはずですが、なんだか演劇のようなことが始まってしまいました。私、いつ演劇場に来たのでしょうか。
魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす
三谷朱花
恋愛
ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。
ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。
伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。
そして、告げられた両親の死の真相。
家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。
絶望しかなかった。
涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。
雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。
そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。
ルーナは死を待つしか他になかった。
途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。
そして、ルーナがその温もりを感じた日。
ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。
「君! とても美しいね! 惚れてしまったよ!」突然かけられたのはそんな言葉でした。~今度こそ幸せになれるみたいです~
四季
恋愛
「君! とても美しいね! 惚れてしまったよ!」
突然かけられたのはそんな言葉でした。
君の名は? ~悪役令嬢が、妹王女とともにここぞとばかりに言いたいことを言ってみた~
aihara
恋愛
「マリア・ディートリヒ!
王太子の名のもとに、貴様との婚約を破棄す…」
「あ、はい、了承しました。
願ってもないことでございます!」
思わず了解してしまった公爵令嬢。
それに面食らっている王太子に、思ってもみないところから援護が…。
そしてさらに驚愕の事実も発覚することに…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる