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手を差し出して。
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差し出された手に、何も言えなくなる。
触れて良いのか。
触れるべきではないのか。
胸の内を満たすのはひとかけらの迷い。
その手を取りたい。けれども迷いが心を引き留める。片手を伸ばすけれど、無意識のうちに、あと少しのところで手が止まった。もうすぐ肌と肌が触れる。けれど、この手はそこで止まってしまい、先へ進めない。
目の前のその人は不思議そうな面持ちでこちらを見ていた。
本当は、触れたいの。
でも、触れることが怖いの。
言いたくて、でも、そんなことは口にはできず。
長い時間が過ぎる。
私は前へ進めなくて。
けれども、やがて、心を決める。
差し出されたままの手に触れる。
伝わる穏やかな温もり。
何よりも愛おしく感じる。
あぁ、もっと早く、その手を取っておけば良かった。
触れてから、そう思った。
◆終わり◆
触れて良いのか。
触れるべきではないのか。
胸の内を満たすのはひとかけらの迷い。
その手を取りたい。けれども迷いが心を引き留める。片手を伸ばすけれど、無意識のうちに、あと少しのところで手が止まった。もうすぐ肌と肌が触れる。けれど、この手はそこで止まってしまい、先へ進めない。
目の前のその人は不思議そうな面持ちでこちらを見ていた。
本当は、触れたいの。
でも、触れることが怖いの。
言いたくて、でも、そんなことは口にはできず。
長い時間が過ぎる。
私は前へ進めなくて。
けれども、やがて、心を決める。
差し出されたままの手に触れる。
伝わる穏やかな温もり。
何よりも愛おしく感じる。
あぁ、もっと早く、その手を取っておけば良かった。
触れてから、そう思った。
◆終わり◆
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