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26話「生きていれば良いことも悪いこともあるけれど」
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戦いは終わらない。
敵は何度でも私たちの目の前に現れた。
そして中でも特に勇ましかったのが、南の悪魔族長ナップルン・パイルン・ゴロ・ゴロロ・ゴロロン。
パイナップルの皮のような質感の虹色の髪。小麦色の肌。大きな目もとと、水色の瞳。
四十代後半くらいかなと思うような見た目の男性。
パッと見た感じは攻撃的な印象。
しかしながら所作は丁寧でありどことなく紳士的な印象も受ける。
そんなナップルンは多くの部下を従えて戦いを挑んできた。
犠牲を一切気にせず攻めてくる彼らは強かった。
しかし私たちの魔法も負けてはいなかった。
一人一人が全力を出し戦えばこちらの戦力もかなりのものなのである。
大切なものを護りたい――その想いは人をどこまでも強くする。
世界に破滅をもたらす者たちを許しはしない。
――そしてやがて私たちは、ナップルンらを撃破した。
「やりました! やりましたねっ。やったやったやったーっ」
「怖かったですが……何とか勝てました」
「ふーっ。今回はかなり強かった。でもでも、勝てた! これは勇気貰えるっ。どこまでも頑張る!」
今回の勝利に関しては、皆、かなり喜んでいた。
「マリーさま、ご無事ですか?」
「ええ」
「良かったです」
「貴女たちも大丈夫? 疲れてしまったら一旦下がっていてちょうだいね」
「いえ! 問題ありません。まだまだ共に戦いますよ。どこまでも! ここまできたら、もう、とことん!」
四人の悪魔族長を倒すことに成功した。
まだ戦いの終わりではないけれど。
それでも大きな戦果であることに変わりはない。
「ご両親が亡くなられました」
その日告げられたのは。
「え……」
王城を護っていた国王夫妻の死であった。
信じられなかった。
まさかそんなことになるなんて。
「魔族の襲撃があったようで、その際、家臣らをお庇いになり……」
「……そう、ですか」
「突然お伝えしてしまい申し訳ございません」
「いえ」
静寂が訪れてしまう。
誰も何も言えない空気が広がる。
「マリーさま……」
私の態度によって周囲に気を遣わせてしまっていることに気づいて。
「すみません。けれど、心配なさらないでください。私は平気ですので。それでは皆さん、それぞれの場所へ戻ってください」
取り敢えず、平静を装った。
その後一人になってから泣いたけれど。
それでも仲間の前では健康的な自分を演じ続ける。
長たる私が泣いていては周りが不安になってしまう。
戦いの最中にそんなことになっては大問題だ。
皆が不安になれば戦いに悪い影響が出る、それは確かなことだから。
ここまで来てすべてを台無しにしてしまうわけにはいかない。
「マリーさま、あの、よければこのクッキーをどうぞ」
「ええと……クッキー?」
「はい! 失礼ながら、今お辛い状態なのではないかと思いまして……それで、少しでも心休まる瞬間を設けていただければと」
「それでこのクッキーを?」
「甘いものを食べると元気になりませんか?」
「確かに、そうね」
「これを食べて少しでも心を休めてください!」
「ありがとう、いただくわ」
周りに支えられながら歩んでゆく。
それはある意味絶対的な理なのだろう。
誰も、一人きりでは生きられない。
どんなに強くても。
どんなに勇敢でも。
完全に自分一人で生きてゆける者など存在しない。
……神でもない限り。
「あ。この前クッキーありがとう。とても美味しかったわ」
「本当ですか? それは良かった! 気に入っていただけたようで嬉しいです」
「やはり人生には時に癒しも大切ね」
「はい! はい、そうなんです! そう思うんです!」
「とても大切なことを教えてもらったわ、ありがとう」
「そ、そそそ、そんな」
「これからもよろしくね」
「ぁ……は、はいぃぃぃ。勿体ないお言葉ですけど、でも、その……と、ととと、とっても……とっても嬉しいです……!」
敵は何度でも私たちの目の前に現れた。
そして中でも特に勇ましかったのが、南の悪魔族長ナップルン・パイルン・ゴロ・ゴロロ・ゴロロン。
パイナップルの皮のような質感の虹色の髪。小麦色の肌。大きな目もとと、水色の瞳。
四十代後半くらいかなと思うような見た目の男性。
パッと見た感じは攻撃的な印象。
しかしながら所作は丁寧でありどことなく紳士的な印象も受ける。
そんなナップルンは多くの部下を従えて戦いを挑んできた。
犠牲を一切気にせず攻めてくる彼らは強かった。
しかし私たちの魔法も負けてはいなかった。
一人一人が全力を出し戦えばこちらの戦力もかなりのものなのである。
大切なものを護りたい――その想いは人をどこまでも強くする。
世界に破滅をもたらす者たちを許しはしない。
――そしてやがて私たちは、ナップルンらを撃破した。
「やりました! やりましたねっ。やったやったやったーっ」
「怖かったですが……何とか勝てました」
「ふーっ。今回はかなり強かった。でもでも、勝てた! これは勇気貰えるっ。どこまでも頑張る!」
今回の勝利に関しては、皆、かなり喜んでいた。
「マリーさま、ご無事ですか?」
「ええ」
「良かったです」
「貴女たちも大丈夫? 疲れてしまったら一旦下がっていてちょうだいね」
「いえ! 問題ありません。まだまだ共に戦いますよ。どこまでも! ここまできたら、もう、とことん!」
四人の悪魔族長を倒すことに成功した。
まだ戦いの終わりではないけれど。
それでも大きな戦果であることに変わりはない。
「ご両親が亡くなられました」
その日告げられたのは。
「え……」
王城を護っていた国王夫妻の死であった。
信じられなかった。
まさかそんなことになるなんて。
「魔族の襲撃があったようで、その際、家臣らをお庇いになり……」
「……そう、ですか」
「突然お伝えしてしまい申し訳ございません」
「いえ」
静寂が訪れてしまう。
誰も何も言えない空気が広がる。
「マリーさま……」
私の態度によって周囲に気を遣わせてしまっていることに気づいて。
「すみません。けれど、心配なさらないでください。私は平気ですので。それでは皆さん、それぞれの場所へ戻ってください」
取り敢えず、平静を装った。
その後一人になってから泣いたけれど。
それでも仲間の前では健康的な自分を演じ続ける。
長たる私が泣いていては周りが不安になってしまう。
戦いの最中にそんなことになっては大問題だ。
皆が不安になれば戦いに悪い影響が出る、それは確かなことだから。
ここまで来てすべてを台無しにしてしまうわけにはいかない。
「マリーさま、あの、よければこのクッキーをどうぞ」
「ええと……クッキー?」
「はい! 失礼ながら、今お辛い状態なのではないかと思いまして……それで、少しでも心休まる瞬間を設けていただければと」
「それでこのクッキーを?」
「甘いものを食べると元気になりませんか?」
「確かに、そうね」
「これを食べて少しでも心を休めてください!」
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「あ。この前クッキーありがとう。とても美味しかったわ」
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「はい! はい、そうなんです! そう思うんです!」
「とても大切なことを教えてもらったわ、ありがとう」
「そ、そそそ、そんな」
「これからもよろしくね」
「ぁ……は、はいぃぃぃ。勿体ないお言葉ですけど、でも、その……と、ととと、とっても……とっても嬉しいです……!」
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