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前編
しおりを挟む「おかしな目の色ね! あんた! ほんと意味不明だわ、なーんであんたみたいなのを生んでしまったのか……ずっと後悔しているわ」
母はいつも私にそんな言葉を投げつけた。
「お前みたいなおかしな目の色だけしか特徴のない女、生まれてきてほしくなかった」
父もまたたびたびそう言っていた。
そんな私にも一時は婚約者がいた。
その名はヴェルディ。
彼は友人の紹介で婚約するに至った近所の八百屋の息子だった。
しかし、彼すらも、私が生まれながらにして持っているこのアメジストのような瞳を受け入れられなかったようで。
「君みたいなのはやっぱ無理だ。その瞳が、おかしな色の目が、遺伝したら大変だしな。もしそんなことになったら、絶対に、僕はその子を受け入れられない。だから――婚約は破棄させてもらうよ」
ある平凡な晴れの日、そう告げられてしまった。
でも仕方ないか――そう思う部分もあった。
だって私は実の両親にすらあんな風に扱われていて愛されていないのだから。両親が愛せないのにヴェルディは私を愛せるなんて、そんな都合の良いこと、あるわけがない。
「我が家の婚約破棄されるなんて恥だわ!」
「まだ迷惑をかけるとは……まったく、どうしようもない娘だ。もはや娘と思いたくもない」
私が婚約破棄されたことを知ると、両親は冷ややかな言葉だけを放った。
二人はどこまでも心なかった。
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******
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