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後編

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 三十八歳の長男は、五つ年上の妻と喧嘩し家出している最中に山道で熊に襲われ大怪我。何とか一命は取り留めたものの、日常生活すら自力ではできない身体になってしまったそう。

 長男の二つ年下である次男は、自ら始めた事業で失敗。貯金を全額失い、今は路上で物乞いのようなことをしているらしい。所持品はお椀一つと身につける毛布一枚だけ。

 そして三男も貧しさに喘いでいる。というのも、次男の事業に出資していたのだ。事業が大失敗に終わったため、金を出していた彼もまた大損をして。さすがに一文無しとまではいかなかったようだが、平均的な暮らしすらままならないらしい。

 四男であるアダンは、三つ年下の妻がいたのだが、自身が十回以上連続で浮気したことで見切られて。今は話し合いの最中とのことだが、もうじき離婚となるそうだ。

 アダンより一つ年下の五男は、馬車に乗っている際の事故で死亡。
 さらに三つ年下の六男は、恋人を二人作っていたことが発覚し、怒った片方の恋人に監禁され殴られる日々。

 一番下の子を除いて、十二人兄弟のほとんどが不幸の道を辿ったとのことだ。


◆終わり◆
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