愛しさを、胸に

四季

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4話

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 ◆


 彼が毎日のようにここへ来ていた頃は、煩わしく思うことが多かった。またか、と、溜め息が漏れるような。そんな気持ちになることも少なくはなかった。 一日くらい来ない日があってもいいのに、などと、贅沢なことを考えてしまっていた。

 けれども彼が来なくなってから、私は彼のことばかり考えている。

 今年もまたもうすぐ冬が来る。植物は彼、生命は眠りにつく、そんな季節が訪れようとしている。その訪れを自然の端々から感じるたび、彼の気持ちもまた消えようとしているのではないかと不安になっていた。

 正直驚いた。
 私がそんな不安を抱くなんて、と。

 愛、想い、傍にいたいという気持ち。そんなものはとうに捨てたつもりでいた。だからこそ、気づかぬ間にそのような感情が蘇ってきていることに驚きを隠せない。

 私にもまだそんな感情があったのか。
 驚くばかりだ。

 一度気になりだすと気になって仕方がない。彼はどうしているだろう、彼はどこにいるのだろう、いつかまた会いにきてくれるだろうか。そんなことばかりが脳内を巡る。きっとまた会える、と、もう二度と会えない、が、毎日頭の中でせめぎ合う。

 はらりと舞い落ちる白いものが冬の訪れを告げる。

 今年の冬は、去年までとはまったく違う冬。
 長くて、長くて、ただひたすらに春の訪れを待ちたくなるような冬になるだろう。

「……早く来て」

 これまではとは違う、ただ過ごすだけではない、そんな冬がやって来た。
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