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後編
しおりを挟む「……そうなのぉ?」
「ああ、気づかないだろ」
「そうかしらぁ……でもぉ、不安だわぁ……」
「まったく、可愛いなぁ。心配性過ぎるだろ。いいんだよ、何も気にしなくて」
撮影魔法。
これは私の得意な魔法だ。
見ていることがばれないように、気をつけながら魔法を発動。
いちゃつく二人の姿を確実に捉え刻む。
婚約者の浮気に近い行動なんて見たくないけれど、今だけは仕方ない――記録するためにはその光景をきっちりと見なくてはならない。
「心ゆくまで愛を語らおう」
「そうねぇ~」
今はそうやって油断していればいい。
近く、二人の関係は壊れる。
それは間違いないのだから。
その果てに後悔すればいい。
◆
いちゃつきを撮影した日から一週間、私は、撮影した写真を複数の新聞社に持ち込んだ。
するとそれは一気に拡散。
婚約者がいる身で他の女といちゃいちゃしているみっともないたくさんの写真が多くの人の目に触れることとなる。
「ルーベルタンの記事見た?」
「あれやばない?」
「ほんとサイテーよね」
「何あれ意味不明だったわ。婚約者いるんでしょ? なのにあんなことしてるんでしょ? あーもう腹立つ!」
それによってルーベルタンの評判は最悪なものへと変わった。
そして私は動き出す。
「ああいう行為をしている方と結婚するなんて無理ですので、ルーベルタンさん、貴方との婚約は破棄します」
関係の解消。
それが我が選択。
「ま、待ってくれ! それはさすがに……慌て過ぎではないか!? 婚約破棄なんて! 評判が落ちるぞ!?」
「いいんです、真実は多くの人が既に知っていますので」
「あ、あんなもの! 浮気ではない! そうだろう? ちょっとした遊びじゃないか!」
今になって焦っても無駄だ。
「さようなら、ルーベルタンさん」
彼との縁は今日切れた。
◆
あの後ルーベルタンは国民から強烈に批判され、それを苦に自殺した。
呆気ない最期だった。
だが可哀想ではない。
自業自得だから。
すべて、彼の悪しき行いが招いたことだ。
さぁ、私は、過去を捨てて未来へ行こう――!
希望を持ち直して。
未来へと。
まずは一歩、踏み出すのだ。
◆終わり◆
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