地味系女子だった私はずっと妹に虐げられてきましたが、選ばれたのは私でした。

四季

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後編

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 ◆


「貴女に惚れてしまった、話がしたい」

 何がどうなった?

 目の前にはアクリル王子。
 丁寧にお辞儀をされている。

 おかしい。おかしいのだ、私がこんなことを言われるなんて。だって私はただの地味な女でしかない。実質妹の引き立て役でしかないというのに。

 これでは引き立て役とは言えない。

「あの……私ではなく、妹の方が可愛いので……」
「違う。わたしが話をしたいのは貴女だ。他の誰でもない」

 途中までは妹がアクリル王子と喋っていた。
 私は傍らでそれを見ていただけ。
 空気のようにそこにいただけで、もちろん、特に何も発していない。

「あ、アクリル様! そんな女より! あたしの方が……」

 妹マリーがおろおろしながら口を挟むと。

「今は君に話していない」

 アクリル王子はマリーを睨んだ。

「わたしは貴女のことを知りたい」
「は……はい、えっと……」
「構わないだろうか」
「……はい」
「良かった。ではこちらへ。案内しよう」

 私は流れのままにアクリル王子に誘われる。

 歩き出す瞬間恐る恐るマリーを見ると、彼女は鼻水を垂らしながら泣いていた。

「妹さんほぼ無視されて可哀想にねぇ、くすくす」
「情けないわね」
「自分の方が可愛いーとか思っていたんでしょうね、ふふ、お姉さんよりずっと馬鹿っぽい面のくせにねえ」
「きっと今まで馬鹿な男としか縁がなかったのね」

 相手が善良な者であれば気の毒に思っただろうが……この時は相手が相手なのでそうは思わなかった。

 これまで痛めつけられてきたのはこちらだ。
 彼女は私を傷つけてきた。
 一度そういう目に遭ってみればいい、そうすれば少しは痛めつけられる側の気持ちが分かるかもしれない。

 その後私はアクリル王子と結婚した。


◆終わり◆
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