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昨日、婚約破棄された。~なぜだろう、世界はとても美しい~
しおりを挟む昨日、婚約破棄された。
でもなぜだろう。
今朝の空は今までに感じたことがないくらいの爽やかさを私の胸に与えてくれる。
突然の婚約破棄、切り捨てられ、傷跡はただひたすらにじくじくしていた。一晩、眠れぬほどの苦痛を感じて、じりじりと焼かれるような感覚があった。それこそ魂が苦痛に歪んでいるかのような。
でも朝起きて空を見上げたら――理由なんて分からない、けれど、こんなにも世界は綺麗だ。
昨夜のあれは一体何だったのだろう、そう思うほどに。
悲しみなど負の感情も、苦痛も、あの時は確かにあって感じていたのに。今はそんなものはすっかりどこかへ行ってしまって。むしろ世界の美しさや魅力がこれまでよりもずっと強調されて。
肌で、目で、心で感じる。
この世界は捨てたものじゃない、想像しているよりずっと綺麗なものに満ちているのだと。
――絶望するにはまだ早い。
何もかも踏み越えてしまおう。
そうすればきっといつか絶望は希望に変わるはず。
朝日を浴びたら、前を向こう。
その先にはきっと晴れやかな空と優しい光が待っているから。
◆終わり◆
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