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前編
しおりを挟む浮気性の婚約者デーベルハイドがまた浮気した。
これでもう二十回目だ。
さすがにそろそろどうやっても許せないラインを踏み越している。
「デーベルハイド、もう終わりにするわ」
「どうして!?」
何を言っているんだか。
睨みつけてやる。
「浮気が二十回に達したからよ」
「ええー!? でも、でも、謝ったよね? ごめんって!」
「謝れば何度でも許してもらえると思っているのかしら」
「だってそうでしょ!? 謝ったんだから水に流してよ。これからもずっと君と一緒にいたいよ」
言っていることが滅茶苦茶だ。
だって、私と一緒にいたいと思っているのであれば、浮気を繰り返す必要なんてないではないか。
それなのに彼は好き放題している。
ということはつまり……、そういうことだろう?
もし彼がそうでないと言ったとしても、そんなのは言っているだけ。完全に無駄な発言である。少なくとも私にはそうとしか思えないし、そんな雑な発言を信じる女なんて多くはないだろう。
「考えてごらんなさいよ、二十回よ? これでまだ許せると思っているの?」
「思ってるよ!」
「はいぃ?」
「だって君は優しいから! きっと許してくれるって信じてる! ちゃんと謝るから、ねっ、ねっ? だから許してよ! あんなの遊びだからさ、子どものうっかりみたいなものと思って見逃して」
――ああもう呆れた。
「それは無理よ」
デーベルハイドはどこまで私を舐めているの?
「婚約、破棄します」
そう告げれば。
「えええ!? そんなぁ。過激すぎるよ。今日の君、ちょっと酷いよ!?」
そんな馬鹿なことを言い出す。
「じゃあねデーベルハイド。永遠にさようなら。もうここまでよ」
私は彼の前から去った。
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