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前編
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「リーザロッテ・アベマ! お前との婚約は本日をもって破棄とする!!」
その日は突然やって来ました。
婚約者ダイアンが婚約を破棄するということを告げてきたのです。
前触れなんてなかった、だからこその驚きもありました。
しかし私は慌てはしません。
慌てて混乱したところで意味などないし得などないと知っているからです。
「婚約破棄、ですか」
「あぁそうだ」
「なぜですか? 何か事情が?」
「理由が聞きたいのか」
理由なしで婚約破棄されるというのは謎でしかありません。
せめて理由は教えてほしいです。
もっとも、まともな理由なんてないでしょうけれど。
「お前と生涯を共にするなんて耐えられないからだ」
……やはりまともでありませんでした。
いや、べつに、私と生涯を共にするのは耐えられないと思うこと自体は問題ないのです。彼がどうしても無理というならそうなのでしょうし、それが彼の感性なのだから仕方ないことです。
ただ。
そういうことなら、婚約なんてしなければ良かったのではないでしょうか。
私たちの場合、特に誰かから強制されたわけではないのですから。
最初に断れば良かったではないですか。
「分かりました。では、さようなら」
「あぁ、永遠にさらば」
こうして、私たちの関係は終わりました。
その日は突然やって来ました。
婚約者ダイアンが婚約を破棄するということを告げてきたのです。
前触れなんてなかった、だからこその驚きもありました。
しかし私は慌てはしません。
慌てて混乱したところで意味などないし得などないと知っているからです。
「婚約破棄、ですか」
「あぁそうだ」
「なぜですか? 何か事情が?」
「理由が聞きたいのか」
理由なしで婚約破棄されるというのは謎でしかありません。
せめて理由は教えてほしいです。
もっとも、まともな理由なんてないでしょうけれど。
「お前と生涯を共にするなんて耐えられないからだ」
……やはりまともでありませんでした。
いや、べつに、私と生涯を共にするのは耐えられないと思うこと自体は問題ないのです。彼がどうしても無理というならそうなのでしょうし、それが彼の感性なのだから仕方ないことです。
ただ。
そういうことなら、婚約なんてしなければ良かったのではないでしょうか。
私たちの場合、特に誰かから強制されたわけではないのですから。
最初に断れば良かったではないですか。
「分かりました。では、さようなら」
「あぁ、永遠にさらば」
こうして、私たちの関係は終わりました。
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