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後編

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 その後、私は問題行動と多いアマネスクから解放され、自由を手に入れることができた。

 もはや私を縛り付けるものは何もない。
 より自由を手に入れるために、実家からも出た。

 今では雑貨店に勤めるようになり、忙しくも楽しい毎日を過ごしている。

 私は何も迷わない。いや、むしろ、この道を選んだ過去の自分に強く感謝している。そして、不幸を奪ってくれた妹にも、当然ありがとうと思っている。その気持ちは忘れない。でも、もう、妹と会うことは二度とないだろう。

 後に親から聞いた話によれば、アマネスクの妻となった妹は、結婚後半年で心を病んだらしい。アマネスクに小さな嫌みを言われ続けたことで正気を保てなくなってしまったそうだ。また、心を病んでからもアマネスクには強い物言いをされ、時には殴る蹴るされることもあるらしい。

 そこは本来私がいたであろう場所。
 けれどももう私はそこにはいない。

 あの場所にいなくて良かった、と、心の底から思う。


◆終わり◆
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