良き人と出会えた途端元婚約者になぜか追い掛け回されましたが最終的には消えてもらうことができました。~付きまといは怖いのでやめてください~

四季

文字の大きさ
2 / 2

後編

しおりを挟む

「プロテスの実家に権力があることは知っているけれど……もしかしてそれのこと?」
「そうそう」
「そう……」
「嫌?」
「いいえ! ただ少し心配なの、仕返しされないかって……」

 不安がないわけではない。いつだってそういうものは胸の内にまとわりついているものだ。ただ、それを無理矢理引き剥がすのは簡単なことではない。そもそも、そういうことは、力づくでできることではないのだ。

 ただひたすらに、流れに沿うしかない。

「それなら大丈夫!」
「本当に?」
「ああ、終わればきっと君も納得してくれるはず」
「そう。分かったわ。じゃあ信じる」
「ありがとう! じゃ、頑張ろう」

 翌日、予定通り一人で外出する。

 一応見張りの者はいる。でも隠れて見張ってくれている形。よってほぼ一人。ローラインからすれば私が一人で歩いているように見えることだろう。

「なぁ、あの男ともう別れたか?」

 ほら来た。
 声をかけてきた。

「ええ……ちょっといい?」
「何だ」
「一緒に来てほしいの」
「……何だよいきなり、珍しいな」
「いいから。ちょっとだけ。いいかしら」
「分かったよ」

 こうしてローラインをプロテスのもとへ誘導し――。

「お、お前! まだいたのか!」
「よく来たね、つきまとい男」
「何の用だ! こんなことをして!」
「そう、用だよ。重要な……ね」

 プロテスはふっと笑みを浮かべる。
 どうやらそれが合図だったようで。
 草むらの陰に潜んでいた魔法兵が上級魔法を放った。

「ぎゃ!!」

 雷属性の魔法を生身で食らい悲鳴のような声をあげるローライン。

「ローラインくんだっけ? ここで消えてもらうよ」
「お……おま、え……」
「彼女を怯えさせたこと、絶対に許さないから」

 その後も数発魔法を受けてしまい、ローラインは死亡した。

 彼はもう動かない。
 今や屍。
 地面に横たわるその身体はまるで人形のようだった。

 こうしてローラインに付け回される日々は終わったのであった。

 ――その後、私はプロテスと結ばれ、穏やかな幸福を手に入れた。

 結婚から数年が経ってもなお、私は愛するプロテスと共にゆったりと歩めている。


◆終わり◆
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。

四季
恋愛
お前は要らない、ですか。 そうですか、分かりました。 では私は去りますね。

好きな人ができたなら仕方ない、お別れしましょう

四季
恋愛
フルエリーゼとハインツは婚約者同士。 親同士は知り合いで、年が近いということもあってそこそこ親しくしていた。最初のうちは良かったのだ。 しかし、ハインツが段々、心ここに在らずのような目をするようになって……。

婚約者である王子の近くには何やら不自然なほどに親しい元侍女の女性がいるのですが……? ~幸せになれるなんて思わないことです~

四季
恋愛
婚約者である王子の近くには何やら不自然なほどに親しい元侍女の女性がいるのですが……?

婚約破棄ですか? そうですか、分かりました。では支援は打ち切りとしますね。さようなら、お元気で!

四季
恋愛
婚約破棄ですか? そうですか、分かりました。

遊び人の婚約者から面白くないと言われたうえ婚約破棄されました――が、彼から解放されて前向きになれ、また、幸せにも出会えました。

四季
恋愛
遊び人の婚約者から面白くないと言われたうえ婚約破棄されました――が、彼から解放されて前向きになれ、また、幸せにも出会えました!

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

裏で悪口を言い広めていると嘘を流され婚約破棄された令嬢は捨てられた先で幸せになる。

四季
恋愛
レイビア・オルトックは婚約破棄された。 それは「婚約者で王子でもある彼の悪口を言い広めている」という嘘をガットソーが信じ込んだからであった。 思わぬ形で捨てられることとなったレイビア。 しかし彼女はたまたま魔王の手下に拾われて……?

婚約破棄され、親から心ないことを言われ、家出することにしました。~それが新しい出会いのきっかけとなりました~

四季
恋愛
婚約破棄され、親から心ないことを言われ、家出することにしました。

処理中です...