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後編
しおりを挟むだって出会った頃の彼は常に氷のような冷たさ固さをはらんだ顔つきでいる人だったから。
妻相手に大騒ぎするような人ではなかったからこそ、私に対してそういう接し方をするようになったことに衝撃を受けていた。
でも今はそういうものだとうけ入れられるようになっている。
それゆえ何を言われてもさほど驚きはしないし、追い掛け回されても呆れの溜め息をつく程度の反応で流せるようになっている。
慣れとは非常に興味深い。
少々異様なことであっても一度馴染んでしまえばもうそんなものと受け入れられてしまうのだから不思議だ。
でも、まぁ、愛されるのも悪くはないものだ。
大事にされている。
その感覚はいつも幸福感を生み出してくれる。
……ちなみにジェールはというと、今はもうこの世にいないようだ。
彼はあの後別の女性と結婚したそうなのだが、その女性がすぐに借金をして豪遊するような問題のある人で、家の財産を一年程度でほぼ使いきられてしまったそうなのだ。
それで離婚を言いわたしたのだが、それによって女性に恨まれてしまったジェールは、夜道で女性が雇った謎の集団に襲われ殴る蹴るの暴行を加えられたうえ殺められてしまったそうである。
「ジェールがこんなに早く死ぬなんて思わなかったわ」
「んもぉぉぉ、またそんなやつの話とかしてぇぇぇぇーっ、怒っちゃうぞぉ!」
「ああ、そうよね、ごめんなさい」
「まだちゅきなのぉ?」
「いいえ、そんなはずないわ。私は彼を想ってなどいない。むしろ嫌いよ、ジェールことなんて」
私はもう彼を愛してなどいない。
……当然でしょう?
「痛い目に遭ったと知って嬉しいだけよ」
◆終わり◆
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何故にこんな言葉遣い?赤ちゃん返りか?(´゚д゚`)
読んでくださりありがとうございます。m(_ _)m
ちょっとどうにかなってしまったようですね……。汗