国民から搾り取った金で贅沢しておきながら民に敵意を向けていた王女は、痛い目に遭い、生まれ育った国へ二度と戻れなくなる。

後編

　それからも、少しでも否定的なことを言われれる風潮となればすぐに怒り会見を開いて攻撃的な言葉を並べ批判が悪化すれば精神を病んでいるかのような主張をして同情を誘い、といったように嫌われる行動ばかりを繰り返す。

　そしてやがて、ついに、ベルグリーアは民の手によって報いを受ける時が来る。

　わがままを言い過ぎたために国王から勘当された王女ベルグリーア。
　王女の位を失った彼女は「これで自由になれる」などと言い勢いのままに出ていったものの、民から受け入れられはせず。

　むしろ攻撃の的となった。

「元王女を殺せ！」
「最低女！」
「だらしなすぎるのよ！」

　それはある意味民による復讐である。

　自分たちが納めた税金をくだらないことにつぎ込まれる。
　その恨みというのは凄まじいものだ。

「ベルグリーア！　人のくず！」
「勘違い女！」
「ただ王家に生まれただけで偉いと勘違いしてる世間知らずな馬鹿！」
「今はただの性悪女！」
「あんたみたいなのはこの国には要らないわ！　息をしていても税金の無駄遣いになるだけよ！」

　ある春の日、ベルグリーアは、王都に位置する中央公園にて民から徹底的に痛い目に遭わされた。

　そして彼女は国外追放。
　二度と生まれ育った地に踏み込めないこととなった。

　だがそれも当然と言える。

　他人から搾り取った金で贅沢をし、感謝もせず、むしろ真逆の国民に敵意を向けるようなことをしたのだ――そんな女がまともに生きてゆけるはずがない、もちろん民から愛されるはずもない。

　彼女はこれから死ぬまで一生孤独に生きてゆく。

　だがそれも自業自得なこと。

　すべての原因は彼女の振る舞い。
　つまり、孤独も不幸も、今在るものはすべて彼女自身の歩みが招いたものなのである。


◆終わり◆