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前編
しおりを挟む王子レバダスバラダは信じられないほどの女好き。
年間百人以上の女性に誘うような言葉をかけてひっかけては遊んで捨てるということを繰り返していた。
そんな彼だが一応正式は婚約者はおり、それは、大国の第二王女であるエリーサだった。
ただ、それでもなお彼の女遊びは収まらず、婚約していてもなお好き放題していて。やがてエリーサからやめるように言われても無視、それどころか反抗的な態度をとっているくらいであった。
だがその結果エリーサより婚約の破棄を宣言されてしまう。
「ど、どうして! 僕はエリーサを一番に想っているのに!」
いざ追いつめられると急に今までとは真逆のようなことを言い出すレバダスバラダ。
しかし手遅れだ。
エリーサの心を取り戻すには何もかももう遅すぎる。
「一番? 笑わせないで。貴方がいつ私を想っていたのかしら?」
「馬鹿言うな! 思ってるに決まってるだろ!」
「でも私の忠告は一切聞かなかったでしょう」
「そ、それは……あれは、だな……ま、また別の話だろ!」
「いいえ違うわ」
エリーサは冷ややかな目をレバダスバラダに向けていた。
「貴方は女遊びをしていればいい。それは自由よ。ただ、そんな人の妻となる気はありません。汚らわしいもの」
彼女の青い双眸からは軽蔑の視線が放たれている。
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