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婚約破棄を告げられた少し後、まさかの現象が発生しまして……!? ~死なずに済んだようで、良かったですね~
しおりを挟むそう、その日は穏やかな空の日だった。
「ルイーズ! お前とはもう生きてはいけない! よって、婚約は破棄とする!」
告げられたのは関係の解消。
穏やかな空の下、私は終わりを告げられたのであった。
「え……? ちょ……そ、それって、どういう……?」
「婚約破棄って言ってるんだよ」
「何で? どうして? 急にそんなことを言い出すなんて」
「は? ふざけんな。こっちはずっと我慢してやってたんだよ、分かるか? まぁお前馬鹿だから分からないだろうけどな」
――刹那、空で何かが煌めいて。
「「え」」
次の瞬間、何か大きなものが落下してきて婚約者の彼の身を吹き飛ばした。
「え……!?」
彼はいなくなってしまった。
破壊されてしまったのか。
「そんな……死んだの……?」
喉が恐怖に震えた。
人生最大の恐怖だった。
――だが、彼は死んでいなかった。
彼はなぜかテレポートしていたようで、いつからか家の廊下で寝ていたらしい。死ぬことはなかったようだが、テレポート後数日間は目覚めることはなかったそう。しかも、眠っていた間、ずっと信じられないほど恐ろしい夢を見続けていたのだそうだ。そして、それによって彼は、起きている間もいつも何かに怯えているような状態となってしまったそうだ。
あれは一体何だったのだろう……。
国の調査によればここではない世界から転移してきたものではないかという話だが、それもどこまで真実に近いか分からないし。
けれど、この世のものではない、というのは分かる気もする。
あんな謎でしかない物体が飛んできた話なんて一度も聞いたことがないから。
この世にはまだ謎がある。
でもそれは当たり前のことなのだろう。
人類はまだそこまで発達していない。
◆終わり◆
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