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前編
しおりを挟む冒険者として活動するようになってから二年半、私はついに、ランキングトップテンに入ることができた。
トップテンというのは十本の指のようなもの。
この国で活動する星の数ほどいる冒険者の中の最高ランクのようなものだ。
女性でありながらそれに入ることができた私は多くの人たちから祝福された。それはまるで、人生の一番輝かしい瞬間であるかのようで。私は今幸福の時代のただなかにいる、そう思っていた。
だが、祝いの会の翌日、まさかの展開が待っていた。
「お前との婚約、破棄するわ」
三つ年上の婚約者ブルドがそんなことを言ってきたのだ。
祝福で浮かれていたからこそ衝撃は大きくて。
崖から突き落とされるような感覚があった。
落ちろ、そう言われたような、そんな不思議で気味の悪い感覚。
「俺より強い女とか無理だわ萎えるわ」
「何なの、それ……」
ブルドの目つきは驚くほど冷ややかだ。
「言ったままの意味だよ」
「……そんなの」
「とにかく、俺より強い女は生理的に無理だから。じゃあな、ばいばい」
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