彼の子を宿したから愛されていない婚約者は消えろ? なんですかそれ、意味不明なのですけど。

四季

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前編

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 ある日、唐突に訪問してきた女性は、私にこんなことを告げた。

「わたくしの腹には彼の子がいますの。貴女はさっさと消えてくださるかしら」

 長い銀髪を後頭部辺りで一つの団子にまとめたその女性は、勝ち誇ったような顔をしていた。
 なぜいきなり好戦的なのだろう。

「わたくし、レリーナ・ボルポトスは、貴女の婚約者に毎晩愛されていましたのよ。分かっていただけるかしら」
「意味が分からないのですが……」
「貴女は二番目なんですの。貴女は知らないかもしれませんけれど、彼はわたくしに惚れ込んでいますのよ。ですから! 貴女はさっさと婚約者の座から降りなさい!」

 レリーナの主張はまったくもって意味不明であった。
 勝手にもほどがある。

 彼女とこのまま二人で喋っていても進展はないだろうと思ったので、「後日またお話しますので、今日のところはお引き取りください」と言い、その日は何とか帰ってもらうことができた。

 その後、婚約者であるベリールに確認したところ、レリーナが子を宿したという件が事実であることが発覚した。

 彼女は本当にベリールとの子を宿していたのである。
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