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婚約破棄され、花となる。
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「君みたいな女性、誰も愛さない。そして、僕も。君を愛することはないよ。ということで、君との婚約は破棄するから。いいね? 逆恨みとかやめてよ? じゃあそういうことで。……さよなら」
エフレイシア、私は、ある日突然婚約者からそう告げられた。
私は彼を愛していた。
けれども彼は同じではなく。
彼が私を愛することはなかった……。
終わりは突然やって来る、そんな話もいつかどこかで聞いたことはあったけれど、だからといって傷ついた心を癒やすには足らず。
私は死を選んでしまった。
悲しみと絶望のただなかで。
◆
死から数年、私は、一輪の花に転生した。
気づいた時は驚いた。こんなことがあるなんて、と。人間として死んだ私が花になったことも驚きだが、それ以上に、人間エフレイシアとしての記憶が残っていたことが驚きで。人の記憶を持った花なんて、と衝撃を受けたのだ。
そんな私は、今、『聖花』として、王城にて大切に保存されている。
人々は私を聖花を見るたびに涙する。
この花は人々の心の支えなのだ。
悪い気はしない。
……そういえば。
花として生きている中で知ったのだが、私をかつて一方的に切り捨てた彼はあの後結婚詐欺に遭い、資産を失ったうえ心の健康も失い、今は一日中ベッドの上で横たわっていることしかできないような状態となってしまっているそうだ。
今の彼に希望の光はない。
しかも、親からは「もう死なせようか」という意見が出ているとか。
味方であるはずの親からも見捨てられかけているとは。
気の毒に。
もっとも、それもまた彼の人生なのだけれど。
◆終わり◆
エフレイシア、私は、ある日突然婚約者からそう告げられた。
私は彼を愛していた。
けれども彼は同じではなく。
彼が私を愛することはなかった……。
終わりは突然やって来る、そんな話もいつかどこかで聞いたことはあったけれど、だからといって傷ついた心を癒やすには足らず。
私は死を選んでしまった。
悲しみと絶望のただなかで。
◆
死から数年、私は、一輪の花に転生した。
気づいた時は驚いた。こんなことがあるなんて、と。人間として死んだ私が花になったことも驚きだが、それ以上に、人間エフレイシアとしての記憶が残っていたことが驚きで。人の記憶を持った花なんて、と衝撃を受けたのだ。
そんな私は、今、『聖花』として、王城にて大切に保存されている。
人々は私を聖花を見るたびに涙する。
この花は人々の心の支えなのだ。
悪い気はしない。
……そういえば。
花として生きている中で知ったのだが、私をかつて一方的に切り捨てた彼はあの後結婚詐欺に遭い、資産を失ったうえ心の健康も失い、今は一日中ベッドの上で横たわっていることしかできないような状態となってしまっているそうだ。
今の彼に希望の光はない。
しかも、親からは「もう死なせようか」という意見が出ているとか。
味方であるはずの親からも見捨てられかけているとは。
気の毒に。
もっとも、それもまた彼の人生なのだけれど。
◆終わり◆
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