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前編
しおりを挟む朝起きたら異世界に転移していた、いじめられっ子の私メグミ。しかし砂漠のような謎の場所に転移していたのは私一人ではなくて。幸か不幸か、傍には、クラスで私のことを虐めている女子たちも転移してきていた。
「何ここ!?」
「うわ、きたなっ。どうなってんのこれ、絶対おかしいって……てか、ここどこの国なわけ?」
「知らない国だよね、多分」
「誰かに声かけてみる? もしかしたら言語で分かるかも……?」
「もうっ……何これ! サイテー! 今日デートだったのに!」
女子たちは珍しく狼狽えていた。
発する言葉こそ強気だがその表情は怯えの色をはらんでいる。
彼女らにも怯えという感情はあるのか……、と、少しばかり驚いた。
だって彼女たちは学校では鬼か悪魔かのようだから。
――と思っていたら、気づかれてしまった。
「あ! メグミいんじゃん! ほら、ちょっと、情報入手してこいよ!」
「それなー」
「このきたなさ、メグミには似合うねぇ」
知らないところへ来てもこれか。
嫌だなぁもう。
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