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後編
しおりを挟む「ほら! さっさと行きな!」
「飢え死にすんなよー」
「ぎゃはは、それな! メグミ臭いから蛇にでも食われるかもなぁ!」
命令されて渋々一人歩き出した私だったが、それが幸運を運んできてくれた――というのも、従者を連れて馬のような生き物に乗り移動していた王子に遭遇することができたのだ。
「困っていらっしゃるのですか」
「はい……」
「どうやら本当のようですね。この辺りでは見たことのない服装ですし。きっと遠いところから誘拐でもされたのでしょう」
こうして私は王子に保護してもらえることとなった。
◆
なんだかんだで王子に気に入られた私は、あれから少しして、彼との将来を手に入れることに成功した。
いやべつにそこまでを望んでいたわけではない。
ただ穏やかに暮らせる場所があればそれで良かった。
でも彼が愛してくれたから、私は平穏と幸せな結婚両方を手に入れることができたのだ。
そうそうそういえば。
これは後に噂にて聞いたのだが。
あの時一緒にこの世界へ来てしまっていたいじめっ子の女子たちは、あのままあの付近で脱水になり倒れそのまま死亡したそうだ。
私を傷つけた者たちは落命した、この世から去った。
……そうか、もう、すべて終わったんだ。
解放感を抱えながら空を見上げる。
花咲く城の中庭で。
◆終わり◆
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