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3話
しおりを挟む「「誓います」」
白いベール越しに見つめる彼の顔。それはどこまでも愛おしいもので。この時の感情、この時の愛おしさ、これをずっと忘れずに歩んでいこうと決心する。
生きていればきっと色々なことがあるだろう。
夫婦ともなれば、なおさら。
辛いこと悲しいことだって時には起こるだろうし、苦しい時だってあるはず。でもだからといっていちいち別れるわけにはいかない。だからこそ、この瞬間を目に焼き付けて。闇に溺れそうな時が来たならこの日を思い出そう、そう強く思うのだ。
「ずっと一緒にいてくださいね」
彼の声が耳に届く。
「はい、もちろん」
私はそれだけそっと返した。
今ここから新しい物語が始まるのだ――。
あ、そうそう。アドベレームとフレリアの関係はあの後すぐに壊れてしまったそうだ。というのも、私への償いのお金を払う話で揉めたそうなのだ。フレリアの親は「娘を巻き込んで」とアドベレームに怒り、アドベレームの親は「息子をたぶらかして」とフレリアに怒り。そんな感じで両家が険悪になってしまったそうで。そんな感じで二人の関係は崩れ終わったらしい。
その後アドベレームはまた複数の女性と同時に付き合っていたそうだが、ある時女性三人が偶然出会ってしまったそうで。それによって全員から同時に捨てられたうえ悪い噂を流されてしまい、アドベレームの社会的ば評判は地に堕ちたらしい。また、それらの女性の中に有力企業の社長の娘がいたため、仕事も失わされてしまったそうで。アドベレームはある日突然すべてを失うこととなったようだ。
ま、自滅みたいなものだが。
一方フレリアはというと、婚約を壊したことのある女として有名になっていたためにアドベレーム以外の男性からは求められずむしろ嫌われるばかりで、そのことに腹を立ててある晩酒の一気飲みをしたそうなのだが――そのままあの世へ逝ってしまうこととなったそうだ。
酒の一気飲みは危険である。
◆終わり◆
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