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踏んだり蹴ったりだった私にも希望の光は降り注ぎました! ~今では皆から愛される王妃となっています~
しおりを挟むかつては婚約者だった王子に急に切り捨てられたりその相手の女性にとんでもない内容の嘘の噂を流されたりと踏んだり蹴ったりだった私だが。
「フィレーネ様、今日もお美しいですね!」
「美貌が凄い!」
「コバルトブルーも似合いますねぇ」
今では一国の王妃となり、夫にも国民にも愛されている。
「今日も素敵だわぁフィレーネ様。とっても魅力的、憧れちゃう」
「本当よ、その通りよね」
「あたしもあんな風になりたぁい」
「それは無理でしょ」
「ま、そっかぁ。でもなりたいって思うのはただでしょ」
元婚約者の王子とはあれから一度も会っていない。でもそれでいいと思う。何ならもう二度と会いたくないくらいの気持ちである。
私は別の国で他の若き王に愛されて今に至っている。
だからもう他のものなんて何も要らないのだ。
「あ、フィレーネ!」
「こんにちは」
私の愛する人、愛しき夫。
彼はいつも私のことを褒めてくれる。
過去傷ついていた私をあの黒くどろりとした絶望の海から引き揚げてくれたのも彼だ。
「今日も綺麗なドレスだね、似合ってるよ」
「ありがとう。……いつも褒めてくれるわね、貴方は」
「え!? もしかして本心じゃないって思われてる!?」
「いいえ、そういう経験ってあまりできないから……感謝しているわ」
「そ、そっか。なら良かった」
ちなみに、元婚約者の彼がいたあの国は、今ではなくなってしまったらしい。
何でも、近隣諸国に挑発的な行為を繰り返していたようで。ある時ついに大国を怒らせてしまって、その果てに武力によって本気で潰されたようだ。王族は皆処刑されたと聞いているので、恐らく彼も例外ではなくそうなったのだろう。
◆終わり◆
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