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3話「選んだのは」
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選んだのはフィブリという少しぽっちゃりした穏やかな青年だ。
彼は裕福な家の生まれ。
しかしそれを悪い意味で誇っている部分はない。
良い意味で品があり、それでいて気さく、少々おっとりしているところも可愛らしい。
「ええっ! 僕ですか!?」
「はい。ぜひ……よろしくお願いしたいと」
「は、ははは、は……あ、すみません、そのっ……う、嬉しくて」
選んだと告げた時、彼は顔を真っ赤にしていた。
でも微笑んで。
「こちら、こそ……よろしくお願いいたします。仲良くしてください」
懸命に言葉を紡いでくれた。
純粋さが好きだ。
器用でなくても真っ直ぐに生きているところも。
だから私は彼を選んだ。
エクセリアも、私も、彼とならきっと幸せになれると思う。
◆
エクセリアはフィブリと結ばれたことで幸せを掴むことができた。
いや、実際に生きているのは私なのだけれども。
私が幸福を感じているのだけれども。
でも、きっと、エクセリアもフィブリのことを悪くは思っていないだろう。
私とエクセリアは一つ。
共に幸せになれたと言えるはずだ。
都合のいい解釈でしかないのかもしれないけれども……。
ただ、今私は幸せで、フィブリとはこれからも楽しく生きていけるような気がしている。
ちなみにオーガンはというと、婚約破棄に激怒した私の父親の権力で職場から追放されたことで職なしになってしまいそのショックからか実感の自分の部屋に引きこもるようになってしまったそうだ。
また、非常に情緒不安定になってしまって、あれから今までずっと自室にいるか親に当たり散らしているかというような日々を過ごしているらしい。
ま、そんなことはどうでもいい。
オーガンとの関係は終わったのだから。
もう彼のことを気にする必要なんてないのだ。
たとえ彼の話を聞いたとしても、ああそうなんだへぇ~、と軽く思うくらいのものである。
◆終わり◆
彼は裕福な家の生まれ。
しかしそれを悪い意味で誇っている部分はない。
良い意味で品があり、それでいて気さく、少々おっとりしているところも可愛らしい。
「ええっ! 僕ですか!?」
「はい。ぜひ……よろしくお願いしたいと」
「は、ははは、は……あ、すみません、そのっ……う、嬉しくて」
選んだと告げた時、彼は顔を真っ赤にしていた。
でも微笑んで。
「こちら、こそ……よろしくお願いいたします。仲良くしてください」
懸命に言葉を紡いでくれた。
純粋さが好きだ。
器用でなくても真っ直ぐに生きているところも。
だから私は彼を選んだ。
エクセリアも、私も、彼とならきっと幸せになれると思う。
◆
エクセリアはフィブリと結ばれたことで幸せを掴むことができた。
いや、実際に生きているのは私なのだけれども。
私が幸福を感じているのだけれども。
でも、きっと、エクセリアもフィブリのことを悪くは思っていないだろう。
私とエクセリアは一つ。
共に幸せになれたと言えるはずだ。
都合のいい解釈でしかないのかもしれないけれども……。
ただ、今私は幸せで、フィブリとはこれからも楽しく生きていけるような気がしている。
ちなみにオーガンはというと、婚約破棄に激怒した私の父親の権力で職場から追放されたことで職なしになってしまいそのショックからか実感の自分の部屋に引きこもるようになってしまったそうだ。
また、非常に情緒不安定になってしまって、あれから今までずっと自室にいるか親に当たり散らしているかというような日々を過ごしているらしい。
ま、そんなことはどうでもいい。
オーガンとの関係は終わったのだから。
もう彼のことを気にする必要なんてないのだ。
たとえ彼の話を聞いたとしても、ああそうなんだへぇ~、と軽く思うくらいのものである。
◆終わり◆
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