3 / 3
3話
しおりを挟む「あれは……農場で出た廃棄物で作りました。あ、廃棄物と言っても、汚いものとか危険なものではありません」
「あれ最高だったよ。あはは。でも、うん、今日のもとっても美味しい」
「そうですか! なら良かった」
「いつもありがとうね」
「これからもより良いお茶を淹れられるよう精進します」
そうそう、そういえば、これは昔からの友人から聞いた話なのだが。
オルターとエリカはあの後結婚したいという思いで交際していたそうだ。
しかしオルターの親は家柄がずっと下であるエリカのことを良く思っていなかったらしくて。いざ結婚の話が出ると、両親共に「彼女との結婚は認めない」と言ったそうだ。
それによってオルターは親と縁を切ることを選んだそう。
そして反対されながらも無理矢理エリカと結婚。
しかしそれが幸せな未来を築くことはなく。
エリカは結婚後すぐに他の男性に惹かれるようになり、あっという間に夫婦仲は冷めていって。
結婚から一年も経たないうちに関係は最悪なものとなってしまったそう。
オルターはすべてを捨ててエリカを選んだのに、結局、すぐにエリカに相手にされないようになってしまったのだ。
そうして、やがて二人は離婚。
それによって荒れたオルターは酒を大量に飲むようになり、ある晩酔っ払って道を歩いていたところ馬車にはねられて死亡。
一方エリカはというと、高貴な家の娘である婚約者がいる男に手を出したために多額の慰謝料を請求されて家ごと破産したらしい。
オルターとエリカ、二人の未来に明るい光などさしてはいなかった。
結局、あの愛も束の間のものでしかなかった。
夢のような。
幻みたいな。
そんな不確かなものでしかなかったのだ。
レイヴィア――否、私は、知らない世界へ来てしまったけれど穏やかな幸福を手に入れることができた。
これはとても良い結果だったと思う。
ゲームでは悪役令嬢的立場だったレイヴィアだが、この奇跡によって、無事ハッピーエンドへと辿り着けたのだ。
◆終わり◆
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる