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私、アルメニア・リリースは、婚約者であるカイルに突然呼び出された。
来るように言われた部屋で待っていたのはカイルだけではなかった。使用人を連想させるような身なりの見知らぬ少女が、カイルの隣に佇んでいる。
それを目にした時、心なしか嫌な予感がした。
だって不自然ではないか、言ってみたらカイル以外の人もそこにいるなんて。しかもカイルから見て異性。普通のこととはとても思えない。同性の友人ならともかく。
「いきなり悪いね、アルメニアさん」
「構わないわ」
「ありがとう。そう言ってもらえると助かるよ」
「それで? 何の話?」
今から言おうとしていることは何となく分かる。だから正直聞きたくはない。聞いても不快になる気しかしない。が、だからといって話をするのを拒否するというのも不自然だろう。聞かない理由をわざわざ考えるのも面倒だ。
「実は……僕はこの娘を愛している」
あぁやっぱりか。
そう思わずにはいられなかった。
「そんな話だろうと思ったわ」
呆れる。本当に呆れる。けれどもこうなってしまっては仕方ない。きっと私にできることはないのだろう。一度こうなってしまっては、もはや、何をしても何も言っても無駄なのだろう。
人の心を変える力なんて、私にはない。
否、きっと誰にもそんな力はない。
当然他者の心を動かせる力を持つ人だっているのだろう。世の中は広く、いろんな人がいるから。ただ、そういう人は珍しい方に違いない。他者の心をすっと動かせる人、というのは、どちらかというと稀なはずだ。
来るように言われた部屋で待っていたのはカイルだけではなかった。使用人を連想させるような身なりの見知らぬ少女が、カイルの隣に佇んでいる。
それを目にした時、心なしか嫌な予感がした。
だって不自然ではないか、言ってみたらカイル以外の人もそこにいるなんて。しかもカイルから見て異性。普通のこととはとても思えない。同性の友人ならともかく。
「いきなり悪いね、アルメニアさん」
「構わないわ」
「ありがとう。そう言ってもらえると助かるよ」
「それで? 何の話?」
今から言おうとしていることは何となく分かる。だから正直聞きたくはない。聞いても不快になる気しかしない。が、だからといって話をするのを拒否するというのも不自然だろう。聞かない理由をわざわざ考えるのも面倒だ。
「実は……僕はこの娘を愛している」
あぁやっぱりか。
そう思わずにはいられなかった。
「そんな話だろうと思ったわ」
呆れる。本当に呆れる。けれどもこうなってしまっては仕方ない。きっと私にできることはないのだろう。一度こうなってしまっては、もはや、何をしても何も言っても無駄なのだろう。
人の心を変える力なんて、私にはない。
否、きっと誰にもそんな力はない。
当然他者の心を動かせる力を持つ人だっているのだろう。世の中は広く、いろんな人がいるから。ただ、そういう人は珍しい方に違いない。他者の心をすっと動かせる人、というのは、どちらかというと稀なはずだ。
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