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後編

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 ヤンババに婚約破棄という形で切り捨てられた私は実家へ戻った。そこが唯一スムーズに戻ることのできる場所だったから。で、両親と姉と四人での生活を再開。ひとまず平穏を手に入れることができた。


 ◆


 実家へ戻ってから数年。
 オリベバという男性と結婚し子にも恵まれて家庭を築いている。

 オリベバとの出会いは、私がよく通っていた町の書店。
 彼もまたその書店へ来ていて。
 最初はただの常連客同士でしかなく交流もなかったが、ある時私が棚から多くの本を落としてしまったのを見て彼が片付けを手伝ってくれ、それから関わるようになった。

 で、私たちはいつしか結婚するに至った。

 互いに本が好き。
 それが大きな共通点で。

 共通の趣味があることで、より一層、互いに理解しあえる気がする。

 今は子の世話で忙しいが、いつかまたゆっくりと読書をしたい。

 一方。

 ヤンババはあの後女遊びが派手になったそうだ。
 これは去年の時点で聞いたことだが、毎晩のように違う女性を家へ連れ込んでいたらしい。

 私がいた時はそこまでではなかったことを思うと、婚約者がいるということで彼なりには女遊びを躊躇していたのかもしれない。

 だが数ヵ月前、一夜限りの相手の女性に不治の病を移されたことで、女遊びはしづらくなってしまったとかで。

 それからはストレスを発散するために酒を飲むようになり、みるみるうちに飲む量は増え、酷い時には酔っ払って家の周りで暴れまわることもあったらしい。

 しかしその最期はあっけなく。

 暴れている最中に転倒して後頭部を打ってしまった、という最期だったそうだ。


◆終わり◆
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