何度も浮気を繰り返してきた夫がまた浮気しているようです。今回はさすがにもう許せません、こうなったら離婚です。

四季

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後編

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「え!?」
「貴方、また、浮気しているでしょう」
「え? ないない! ないよそんなの!」
「それ……本気で言ってる?」
「ああそうだよ! もちろん! 僕には貴女だけさ!」

 認めないなら仕方ない、と、私はこれまで集めてきた証拠品を彼の前に出した。

 一つだけではない。
 いくつもある。
 何なら、相手女性との決定的瞬間を捉えた写真だってあるのだ。

「これでも浮気していないと言う?」

 改めて問うと。

「……ごめん、その……浮気、しま、した……でも……身体だけ、です……それに、向こうがたぶらかしてきた、からです……」

 トルべスはわざとらしく涙をこぼす。

「許して、くだ、さい……もうしません……」

 もう謝罪は信じない。
 だって彼の謝罪が本当の謝罪だったことはないから。

 今ここで許しても、きっと、またやらかす。

「さようならトルべス。……離婚よ」

 彼は「嫌だぁ!」と叫んで泣いていたけれど、彼とはもう一緒に生きないことにした。

 だってそうだろう? きっとまた浮気されるのだ。そんな人と生涯を共にしたいなんて者がいるか? 珍しいだろう。もし仮にいたとしても、恐らくかなり稀だろう。


 ◆


 離婚後、私は生まれ育った街で畑を始め、野菜売りの仕事を趣味がてら始めた。

 家がそれなりに裕福なので儲けがそれほどなくてもやっていける。だからこそ、普通の値段より安い値段で野菜を売ることができる。そういうこともあって、野菜を安く買いたい人には人気だった。

 一方トルべスはというと、浮気相手だった女性に「妻に捨てられたから結婚してほしい、君と一緒に生きたい、どうか、お願いお願い」としつこく頼み込んだ結果「そういう関係になるつもりはないから」と拒否され、一人になってしまったそうだ。

 また、女性からはっきり拒否されたことで自信をなくし、女性に声をかけることが一切できなくなってしまったらしい。

 ま、自業自得としか思わないけれど。


◆終わり◆
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